失敗しない就農ガイド、新規就農者の7割が農業だけでは生活できていない


説明を聞くためにブースをはしごする来場者たち。東京では年に4回程度開催されるが、毎回1000~1200名の来場者がある。東京だけでなく、大阪や名古屋、仙台、札幌、福岡などでも開催されている。

中にはリクルートスーツを身にまとった学生の姿も。「大学院修士課程の2年生で就職活動中だが、農業も就職先の候補の一つと考えている」と情報科学系を専攻しているという男性は語った。

150万円の補助金に予想の2倍の応募者

フェアを主催する全国新規就農相談センターは、農業委員会の系統組織である全国農業会議所内にある。就農希望者からの相談を受け付けている同センターの岩佐宏明所長は、「リーマンショック以降、農業が雇用の有力な受け皿として見られるようになった」と、就農に対する考え方の変化を肌で感じている。「農業ブーム」の傾向はその後も強まっているという。

政府も、その動きを後押しする。若者の就農者を増やすため、今年度から「青年就農給付金制度」が創設された。これは就農予定時の年齢が45歳未満の新規就農希望者に、年150万円を最大7年間支給するというものだ。

具体的な対象者には、2種類ある。第1の「準備型」は就農前に都道府県が認めた研修先で研修する人で、期間は2年間に限られている。第2の「経営開始型」はこの5年以内に就農した人で、農業所得(農業収入から生産費用を差し引いたもの)が、前年実績で250万円未満の自営就農者(期間は最大5年間)。後者については、「人・農地プラン」(農業の担い手不足など、地域の農業が抱える問題の解決に向けた行動計画)を作成している自治体で就農していることが条件になっている。こうした金銭的な生活支援によって、毎年2万人の若者を新規就農へと導くのが目的だ。

この給付金制度には今年度、104億円の予算を投じ、8200人程度の支給枠を想定していたが、倍の数の応募希望者が殺到。現場でさばききれない状態だという。郡司彰農林水産相は、「補正予算が組まれるなら、給付枠を増やすことを検討したい」と明言している。

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