朝のワイドショーは民放4局でこんなに違う 「とくダネ!」「スッキリ!!」などが真っ向激突
『とくダネ!』の視聴率は同枠の3位まで転落した時期もありましたが、そのときも慌てず騒がず、「各ニュースの質を高める」「ミニコーナーを作る」などの微調整に留めました。天気予報に天達武史さんを起用し続けている点も含め、「変わらずにデンと構えて待つ」徳川家康型の番組です。
女性市場に特化した『スッキリ!!』
2006年4月スタートの『スッキリ!!』は、今年春に一大リニューアル。初回から加藤浩次さんとともに司会を務めてきたテリー伊藤さんが降板し、上重聡アナが後任となったほか、コメンテーターも2人増えた4人体制になり、番組ロゴやテーマソングも一新されました。
最大の変化は、テリー伊藤さんとコメンテーターの勝谷誠彦さんがいなくなったことによるソフト路線。倍増されたコメンテーターの席は、高橋真麻さん、松嶋尚美さん、遼河はるひさん、犬山紙子さん、はあちゅうさん、青木愛さんら女性陣で埋められ、「女性の見方」「さわやかな番組」というイメージの定着を図っています。
その証拠に、全国放送される8時台の一部では、生活情報・流行・女性の悩みを扱うコーナー『ピンナップ』に続いて、曜日別のコーナーも、女性に街頭インタビューする『とことんスッキリ!!調べ隊』に加え、『スイーツ真壁のうまいッス』を9時30分以降の二部から昇格。二部でも『真麻の朝ART「あさ芸」』、『失敗しない家探し!目指せ!ハウスマイスター』、『GENKINGのプチプラでおキャワたん』など、女性ウケを狙ったコーナーが目立ちます。
同番組をビジネスマンの目線で見るなら、注目は「女性ニーズのマーケティング」。コメンテーター、専門家、一般人など、さまざまな立場や年齢の声を集めてコーナーを作っているだけに、「女性の間で何が流行っているのか? 何が問題になっているのか?」をつかむには最適な番組といえます。
同時間帯の情報番組『あさイチ』(NHK)と「女性狙い」のターゲットがかぶっているからか、『モーニングショー』に抜かれて視聴率3位に落ちる日もありますが、「エンタメ度の高いコーナーを作って、一定期間で終わらせ、また新たに作る」というスタイルに変わりはありません。もともと芸人の加藤浩次さんがMCを務め、ふなっしーと相撲を取ったり、大物アーティストの生ライブを連発したり、「自由な発想で強気の勝負を仕掛ける」織田信長型の番組と言えます。
誠実さで人の心をつかむ『モーニングショー』
今年9月28日に『モーニングバード』からリニューアルしたばかりの『モーニングショー』。その番組名は1964年から約30年に渡って放送された「日本初のワイドショー」と同じだけに、「どう変わるのか?」注目されましたが、フタを開けてみたら大きな変化はなし。「羽鳥さんと赤江珠緒さんの2大MCだった『モーニングバード』を、羽鳥さんを全面に押し出した『モーニングショー』に変える」という触れ込みでしたが、アシスタントの宇賀なつみアナの存在感も大きく、それほど印象は変わっていません。
その理由は羽鳥さんが「気配りの人」「聞き上手」「振りの名手」だから。冠番組であるにも関わらず、腰の低い振る舞い見せているほか、『ぐるナイ』『深イイ話』(ともに日本テレビ系)で見せるボケを封印している点も好印象を誘っています。
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