急成長IT企業のキーパーソンたちが語る、組織マネジメントの秘訣

インフィニティ・ベンチャーズ・サミット

 

 

川邊 もちろんそうですね。やっぱりその主要な人数を占める職種が何であるかで決まるじゃないですか。だいたい社風って。

ソフトバンクはやっぱり営業会社ですよね、明らかに。ヤフーはエンジニアが多い会社ですから。営業とエンジニアで全然、そもそも人としての何かこう、マインドが違いますから。そこを別に無理やり一緒に合わせようとはしてない。

ただ営業マインドを持ったエンジニアにこれからはなっていこうねって感じには、この4月以降はしていますけどね。

真田 なるほど。

川邊 はい。

真田 ありがとうございます。じゃあ最後、猪子さん。

■人事担当がいないチームラボ、人事は無駄な職種?

猪子 社風ですよね……あまりどういう社風なのかわからないんですけど。採用はなんか結構すごい専門職採用って言って、すごい専門職が分かれているので専門職ごとに専門職の人が採用してて、それがすっごい細かく分かれてて、なんか結構スキル重視なんじゃないんですかね、案外。

真田 ということは全社統一して人事の人が何かを見るとかいうことはなく、各その……。

猪子 人事ないですね。

真田 えー?

猪子 人事ないですね。何してるんですかね。他の会社の人事ってね(一同笑い)。

真田 面接に人事が同席したりすることもない。

猪子 いや、だって同席してもしょうがないでしょ、人事が。だってそんなさ、そんなCGの話してんのにさ。人事が来てもさ。何言ってんのかわかんないですよね。

何してんのかわかんないね。他の会社の人事とかね。無駄な職種かもしれないですよね(一同笑い)。だってさDBのエンジニア採るのに、たとえばどういう言葉に引っかかるかもわかんないだろうし。

採用の広告出すにしても、そんなのわかんないよね。DBの人が募集したほうがいいし、DBの人が面接したほうがいいよね。

真田 なるほど。ちなみに人事本部長のサイバー曽山さんにお伺いしたいんですけど。人事は面接に同席しますか? 御社は。

曽山 はい。人事は面接にまず出ます。技術社員が面談とかしないと、技術力とかわからないので会ってもらってですね、やっぱり。それをもとにさっき言った、いい人かどうかとか、チームプレーができるかっていう、風土面を僕らは大事にしているので、技術力は技術の人に見てもらって、風土の部分をこっちで見てるっていう2段階があるんです。

猪子 全然何言ってるかわかんなくて(一同笑い)。エンジニアがなんで風土を見れないかっていう、ほとんど人種差別に近いですよね(一同笑い)。なんでエンジニアが風土を見れないのかって。人だろうと風土は。言いたいですね、僕ね。

曽山 会社には会社のやり方があるんです(一同笑い)。どっちでもいいです。

真田 ちなみに、サイバーエージェントさんの場合、エンジニアと人事が両方見て、もし意見が食い違ったとします。最終決定権はどっちにあるんですか?

曽山 基本的にはでもエンジニアの声を重視しますね。

真田 おおー。

曽山 はい。現場で受け入れられないと意味がないんで。基本的には現場の社員の声を重視するっていう感じですね。

真田 なるほど。わかりました。

猪子 あと興味……ちょっとわかんないんですけど、その風土とかは。すごい興味あるのは……構造化したいですよね。すべてを。構造化。仕事とか人間とか。構造化。仕事のプロセスだと構造化していきたいっていうのと、あと仕事を非言語化していきたいですよね。

真田 何化?

猪子 非言語化。

真田 非言語化。

猪子 ちょっとわかんないんですけど僕も。とにかく組織を非言語化したくて。組織を構造化したいですね。

真田 わかりました!

猪子 スルーされた(一同笑い)。

真田 全然わかんない。わかりましたっていうのは、この辺で切り上げようっていう、そういう言葉なんですけれども、はい。

■他社にはない特徴的な人事制度とは

じゃあ、続きましてですね。今、社風の話、人材の特徴の話をしましたが、社風を生み出すために、あるいは望ましい人材を採用したり、あるいは望ましい方向に育てていくために、各社にはそれぞれ人事制度とか人事システムのようなものがあると思うんですね。

こういう人材を増やしていくために、こんな人事制度とってる、それが人事評価だったり、給与体系だったり、コンテストみたいなものだったり、補助金の制度だったり、いろいろ会社ごとに特徴的な人事の仕組みがあると思うんですね。ランチがタダで食べれるよとか、ま、それが人事の仕組みかどうかはわからないですけども。

そういう会社ごとに、他社にはなさそうな特徴的な人事制度。こういう制度がこういう人材を惹きつけているとか、こういう仕組みがこういう人材を育てているというようなものが、各社あると思うんですが。

ずっとさっきこっちからばかりなんで、こうなるとですね、徹底的に猪子さんで遊んでみようということで、猪子さんからまず。

猪子 え、制度ですか? 制度一切ないっすよね。

真田 そう…。

川邊 自動販売機の前でお菓子を売れるようにしてる。

猪子 いや、あれ制度っていうか、社員が勝手にお菓子売ってるだけで(一同笑い)。制度じゃないですよね。

川邊 制度じゃない。

真田 お菓子売ってるんですか?

猪子 お菓子売ってる社員がいて、勝手に(一同笑い)。いや、お菓子売っていいですよね。

真田 あんまり売ってるところ少ないですよね。オフィスグリコが入ってる会社たくさんありますけど。

猪子 社員が買ったお菓子売ってるんですよ。

川邊 自販機の前で。

猪子 自販機の前で。

曽山 社員の手元におカネが入るんですか?

猪子 そうですね。

曽山 社員が仕入れて社員が売る。

猪子 誰がやっているかとかわかんないんですけど。なんか最近競合ができて。3店舗くらいあって(一同爆笑)。でも森とか町ってそういうことですよね。

真田 じゃあ次いきましょう! じゃあ、川邊さんお願いします。

川邊 ヤフーもですね。実は今まで何もなかったですね。惹きつけてたっていうか、離職率低いんですよ、すごい。それはひとつはさっき言ったとおりあんまり頑張らない社風だったんで、頑張らなくていい会社だなっていうのは、間違いなくあったと思いますね。

もうひとつは僕が12年間辞めなかったほうの理由で言うと、やっぱりいちばん日本で大きなサイトなんで、いろんな話がいっぱい来たり、逆にたくさんの人が使ってくださるんで、なんかやると反応が返ってきて面白かったりするんで。

なんか仕事がとりあえずは勝手に楽しいと。その2つのみでほとんど人を惹きつけてただけで、ほとんど何もやってなくて。

ミッドタウンに越したときにウォーターサーバーが付いたんですね。なんか水が飲めるみたいな感じでみんな水を席に持って帰って飲んでるスタンスで。

それがですね、コストコンシャスな会社なんで、リーマンショックのときにウォーターサーバーが全部なくなったんです。僕とか宮坂さんは現場でその頃やってたんで、その水がなくなった恨みがすごかったことよく覚えてるんですよ。

で、このあいだ3月1日に役員の改変の発表があって、そのあと宮坂さんと僕で社員にこういうふうにしますっていうのを、その一席ブったんですけど、そのときに社員向けの何かこう、まさに福利厚生をなんかしなきゃって、何言うかって、とりあえず言ったのが「水を復活させます!」って。

これはグーグルとかからしたら、もうありえないほどプアな福利厚生なんですけど、「うおー!」とかって盛り上がったんですよ社員が(一同笑い)。その瞬間に宮坂さんが、予想以上の反響にびっくりして、「なんか砂漠の国みたいですね」って。

そんな感じで、これからいろいろ社員の声に耳を傾けて、なんか託児所が欲しいっていう声が多そうなんで託児所をつくったりとか、あともうちょっと給料がベースというよりかは頑張った人がもっと報われるようにしたいだとか、そういうのはこれからちょっとやっていきたいなと思いますけど。

ほとんど今までって、仕事の面白さだけです、多分。

真田 頑張らない社風というふうにおっしゃるんですけど。

川邊 頑張らない。

真田 頑張らない。たとえば僕がヤフーで知ってる人ってそんなに多くないんですけど、松本(CIO)っていう人って、なんかやたら働いてるじゃないですか。あれはたまたま彼のキャラクターなんですか?

川邊 あれはそうですね。あれはサメみたいな人ですから。頑張らないと落ち着かないタイプですから。

真田 それは少数派。

川邊 非常に例外的です。

真田 会社全体としてそういうモチベーションを、コントロールをしているとかは一切なく。

川邊 今まではなかったですね。だけどまあ仕事が面白いからそれなりにね、みんな頑張ってたわけですけど。特に頑張れという感じで引っ張るということは一切していなかったですね。

真田 なるほど。わかりました。ありがとうございます。じゃあサイバーさんお願いします。

■役員同士を戦わせる

曽山 はい。サイバーエージェントは2000年に上場してから3年間くらい、退職率が30%くらい。3年間続いたっていうのがあって、すごく人事が苦労したことがあったので、2003年くらいから人事制度をかなり強化し、福利厚生も厚くしたという形でラインナップを増やしています。

具体的なものを2つほどご紹介すると。1ついちばんよく会社内で盛り上がるのは「あした会議」と呼ばれる、新規事業プランコンテストがあるんですけど、これ何かっていうとサイバーエージェントの取締役で、新規事業のバトルをやるんですね。これは私も出るんですけど。

1位からビリまで社内外に結果が公表されるっていう、すごい恥ずかしいバトルでして、もう絶対にビリにはなりたくないっていう深層心理がまず動くじゃないですか。で、さらにこれいいのがですね。1人の役員につき現場の社員を4人、どの部署のどの年次でもいいから連れていけると。

1カ月後に戦いがあるので、もう毎週のようにミーティングをしてやると、すごくいい情報の交流が生まれ、当日役員が10人くらいいるとすると、全部で50人くらいの新規事業提案の場になるので、大体1回につき30案くらい出て、社長の藤田(晋)が審査員をやるんですけど、20案くらいその場で決議されてですね。人事異動とか、予算の投下とか、その辺が全部バシバシ決まっていくというのは非常にいいです。

真田 役員同士が戦うっていうのは、社員同士のコンテストとか、競技的なものがある会社はたくさんあるんですけど、役員同士が戦うっていうのは。ちなみにそれで負けるとアメリカに飛ばされるとか。

曽山 しないです。しないです。それでつながってくる2つ目の制度が「CA8(シー・エー・エイト)」と呼ばれるサイバーエージェントの役員の交代制度でして。サイバーエージェントの8人っていう意味なんですけど。2年に1回原則2人入れ替わるという制度なんですね。

で、退任した役員は新規事業やってもらったりして、みんなバリバリ活躍できるように、退任、降格ではなくキャリアパスであるというふうに言い切ってですね。みんな30代なんで。

で、バリバリやれるようにし、どんどん若い人を抜擢すると、いうようなそういう形で社内で活躍した人材が実際にCA8に入ってたりするんで、8人のうち3人は新卒入社組ですし、非常にいい事業のエコシステムみたいなのができている、そんな感じです。

真田 そういう、どちらも非常にユニークというか。あまり他社で聞いたことがない人事制度だと思うんですけども。そういう仕組みはどなたが考えられるんですか?

曽山 はい、いちばん最初にですね。藤田とか、副社長の日高(裕介)とかこのあたりを中心に、議題というか課題として役員会に出てくるんですよ。

たとえば、CA8でいうと、若いメンバーが将来役員になれないんじゃないかと、要は上が詰まっている印象があるという声を飲みとかで聞いてきたときに、それを翌週の役員会とかで共有して。これ確かに結構問題だよねっていう話があって。で、役員の合宿で議論することもあれば、ちょっと曽山君考えてって言って、人事で考えて提案するっていう、そういうような形ですね、はい。CA8かなんかはかなり合宿で役員で議論して決めてる感じになりますね。

真田 なるほど。面白いですね。

昨日、藤田さんがセッションでリクルートを最初目標にしてやってきたみたいな発言があったんですけども、なんかリクルートからまねたとか学んだとかパクったことって何かありますか。

曽山 私たちの人事制度はほとんどリクルートさんのやつをヒントにさせていただいているのが正直なところで。たとえば新規事業プランコンテストで現場社員向けに「ジギョつく」っていう、事業を作ろうというのがあるんですけど、これはたとえば「NEW−RING(ニューリング)」っていう事業プランコンテストをヒントにやらせていただいていたりするんで、それはすごく参考にしてますね。

真田 なるほど。やっぱりそういう意味では社風とか、人のタイプとかってやはり似てるんでしょうか?

 

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