急成長IT企業のキーパーソンたちが語る、組織マネジメントの秘訣 インフィニティ・ベンチャーズ・サミット

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出木場 はい。

真田 OBの方って累積すると何人ぐらいいる?

出木場 『かもめ』が今2万部っていうふうに言ってたんで、1万5000人だってことなんでしょうかね。で、結構ですね、OBの方々のほうが現役の人間よりもですね、『かもめ』をよく見てたりするんですね。

そうすると、「あのね、この間これ書いてあったけど、これはちょっと違うんじゃないの?」とかですね、鋭いご指摘をたくさんいただいたりとかして。で、結構皆さんですね、「いやもうなんかダメになったな、リクルートも」っていうふうに言うんですけど、なんかその言い方があんまり嫌いじゃない感じなんですよね。

なんかこう、前よりもダメになったなあという、ちょっと愛情があって言っている感じがあって。そういうのが、そう意外と『かもめ』みたいなですね、ずっと一貫して続いてる、ああいうコミュニケーション手段という、地味なんだけどいいんじゃないかなとちょっと思ってますね。

真田 はい。じゃあ同じことをサイバーエージェントさんいかがです?

曽山 はい、サイバーエージェントの場合は1つ、「ブログマネジメント」という言葉がありまして、ビジョンとか考え方を役員の8人全員がブログを……アメブロやってることもあるので、ブログを書いてるんですね。で、社外の方にももちろん見えるような状態にするんですけれども。

日々学んだこととか、あるいは気づいたこと、あるいは時に叱ったこととか、そういったものを社長の藤田をはじめですね、とうとうとブログに書いてるんですよ。

そうすると、その藤田の部門のメンバーだけが見るだけではなく、他の部門のメンバーも、よくブログを、役員のブログを見てるんで、私もよくいろんな部下と飲みに行ったりするんですけど。やっぱり誰々の役員のブログにこう書いてあったのは、あれどういう意味なのかとか、そういったので、考え方のシンクロっていうの僕らよく言うんですけど。考え方を同じようにしていく、流れっていうのをかなり意識してやってるので、それがかなり援護射撃になってるというのは、非常に大きいですね。はい。

真田 なるほど。ブログは内向きにも外向きにも、意識して書いてるんですか?

曽山 そうですね。どっちにも意識して。あと採用にもものすごい効くんですよ。これ。経営陣がいろんな言葉を書いたりすることで、社員もブログ書いてるので。応募してくださる方が社員のブログとか、役員のブログを見て、考え方が共感できたと言って入社を決めてくれるケースも結構あるので、これはすごくパブリッシングとしてすごく強いなというように思います。

真田 社員は必ずクリックすることを強制されてるんですか?(一同笑う)

曽山 いえ、そんなことないです。たまに見てない者もいるので。それはあえて強制してないです。はい。

■わが社のマネージャー教育

真田 なるほど。わかりました。それではですね、ちょっとまたテーマを変えてみまして。

ベンチャー企業にとって、つねに成長にするベンチャーにとって課題、必ず出てくる課題として、マネージャーの育成という問題があると思っています。社員を数だけ採ることは、やろうと思ったらできないこともないけども、それよりもそれを束ねるマネージャーがなかなか育たないと。

事業の成長規模は毎年30%でも40%でも成長することはできても、人間って30%成長する……当社比、前年度比30%とかっていう成長は人間はなかなか普通しないと思うんですよね。

ですから、ベンチャーが一定のスケールするために必要なこととして、マネージャー教育というのは必ず課題としてどんなベンチャー企業も出てくると思うんですけども。マネージャー教育、マネージャー育成に関して、こんなことをしているとか、こんな努力をしているみたいなことがあればぜひ教えていただきたいなと思います。

じゃあもう一度徳生さん。

徳生 はい。僕たちの会社も、これ皆さんいろんな会社がやったと思うんですけれど、いわゆるトレーナーというか、エデュケーターというんですか、呼んでやってたんですけど。今でもやってますけど。

そういう人ってスペシャルスキルに関してはいいと思うんですよね。プレゼンテーションのスキルとか、特殊なスキルに関してはいいと思うんですけども。やっぱりちょっと人が上のほうになってくると、物足りない。

で、最近始めてすごくいいなと思ったのは、マネージャー同士を集めるんですよ。自分の持っているマネジメントの課題をお互いにぶつけ合う。

たぶん皆さん企業家の方も重役の方もご存じだと思いますけど。結構、答えって中に実は入ってることが多いんですよね。外から来たコンサルの方々がそれを引き出したりして、具現化したりするというほうが、形が多いと思うんですけど。

僕も実はそれ数週間前にUS行ってやってきたんですけども。ものすごく新鮮でした。同じような問題を実は抱えていて、自分は自分のチームや頭の中で固まっちゃっているのを、たとえば別の部署の担当者が、ものすごい画期的な答えを出してくれたりとか。

逆に僕から見ると、そんなの話せばいいじゃんみたいなことをできなかったりとか、話すときにこういう話し方をすればいいとか言うと、「ああ、そうか」って気づいてくれたりとかして。

それを2日間やったんですけども、ものすごいクオリティ高いっていうのが初めてやってわかったし、トレーナーもインハウスの人がいろんなディレクターとかと、1年間一生懸命膝を付き合わせて話して、どういう課題かって理解したうえで話してくれるんで、すごく「そうそう、それ」って言えるんですね。それが自分の問題なんだと。

普通のエクササイズみたいなのじゃなくて、具体的な話題に入っていくことがいいと思いました。

真田 なるほど。ありがとうございます。じゃあ、リクルートはどんな感じなんでしょうか?

出木場 はい。リクルートは本当に中間マネジメントの強さっていうのが、本当に会社にとって、いちばん大事な会社だと思ってまして。もちろん、あのリクルート自身がですね、作っている研修プログラムというのはいっぱいあるんで、研修なんかはいっぱいやるんですけど。

 

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