急成長IT企業のキーパーソンたちが語る、組織マネジメントの秘訣 インフィニティ・ベンチャーズ・サミット
今回で10回目を迎えた「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)」。6月14、15日に開催されたスプリング2012では、経営論のセッション(→参考記事)に続き、「成長企業の組織、チームマネジメント」というお題でトークが行われた。
グーグル・徳生健太郎氏、ヤフー・川邊健太郎氏、リクルート・出木場久征氏、サイバーエージェント・曽山哲人氏、チームラボ・猪子寿之氏のIT業界をリードする有力企業キーパーソン5人が、それぞれの企業の成長の秘訣を明かした。モデレーターはKLabの真田哲弥氏。
KLab・真田哲弥社長 各社の平均年齢、男女比というのを自己紹介に引き続きしゃべっていただくというのを1人ずつやっていきたいと思います。はい、それではまず、グーグルさんからお願いしたいと思います。
KLab・真田哲弥氏
グーグル・徳生健太郎 Product Management Director Geo APAC はい。皆さん、こんにちは。グーグルの開発本部長の徳生健太郎です。ええと、自己紹介もするんですよね?
真田 自己紹介。
徳生 えっとですね。グーグルには9年くらいおりまして、USのほうで6年、東京に3年。開発やってます。人事といっても、開発ばっかりなんで、そっちのほうばっかりしかわからないですけども。なんかお話するデータってありましたね。
真田 社員数、平均年齢、男女比。
徳生 男女比、はい。社員数3万2000人。
真田 それワールドワイドで?
徳生 ワールドワイドです。はい。
真田 うち、日本は?
徳生 日本は、僕は正確につかんでなくて六本木ヒルズのフロアが4フロア(一同笑い)。パンケーキ4枚分くらい。4フロア丸々じゃなくて、1つのフロアには他社が入っているし、あと1つのフロアは半分くらいカフェになってます。
徳生 平均年齢はわからないんですよ。広報にメールで聞いたんですけど、「若いエンジニアがいっぱい入っていますと答えてください」と(一同笑い)。
男女比は、職種で全然違うと思います。技術のほうはやっぱり9:1かそれ以上、男ばっかりなんですけれども。営業とかそれ以外のファンクションでは感覚的には多分6:4くらいかな。
グーグル・徳生健太郎氏
真田 6が男性で、4が女子?
徳生 そのぐらいだと思います。
真田 でも皆さん、グーグルに勤めてる女性という方に街で、街っていうか、その辺で会ったことありますか? 僕は会ったことがないですけど。男性は周りにいっぱいいるんですよ。「私グーグルに勤めてるんです」っていう女子に会ったことないですね。
じゃあ出木場(いでこば)さんお願いします。
リクルート・出木場久征執行役員 リクルートの出木場と申します。今は、グローバルなところのインターネットのところとですね、新規事業開発と投資等の責任者をやっております。もともとは『じゃらんネット』だったりとか、『ホットペッパー』とかですね、『ポンパレ』とか、そういったところのネット関係の開発とかプロダクトマネージャーをやってました。
えっとですね、リクルートなんですが。単体でですね、5974名と書いてありますんで、6000名弱ですね。平均年齢が31歳。で、昨日もちょっとうちの社長が言ってましたけれども、会社ができて53年目ということで、僕が聞いたところによるとですね、去年か一昨年、会社ができて初めて定年退職の方が出たということで、だいぶニュースになってましたので、比較的まだ若くいられてると。
で、女性はですね、58とか何%…、まあ60%弱は実は女性というような……。
リクルート・出木場久正征氏
真田 女性のほうが60%弱ですか?
出木場 そうですね。あの…まあやっぱり、女性のほうがいいですよね(一同笑い)。
真田 何がいいんですか?
出木場 よくわからないです。すいません。
真田 その辺、後で突っ込んでみたいと思いますので。
サイバーエージェント・曽山哲人取締役人事本部長 ええと、はい。皆さま、こんにちは。サイバーエージェントで取締役人事本部長をしてる曽山と申します。よろしくお願いします。
サイバーエージェントという会社は、社員数が今現在2400名でして、平均年齢29歳です。徐々に平均年齢上がってまして、これから平均年齢を少しずつ上げていこうというふうに思っています。ただ新卒が毎年、今年の4月は200名入りまして、それまで平均年齢も一気に上がってたと。3月までは平均年齢が30歳実は超えてまして、4月になってまた29歳代になったと。あと男女比は、だいたい6対4くらい。やはり営業のほうが…。
サイバーエージェント・曽山哲人氏
真田 6が?
曽山 6が男性ですね。
真田 男性。
曽山 4割女性と。
真田 大体リクルートさんの反対ですね。
曽山 そうですね、ちょうど反対くらいですけど。半々くらいで採っていきたいなというふうに思ってる感じです。はい。よろしくお願いします。
ヤフー・川邊健太郎最高執行責任者(COO)執行役員メディア事業統括本部長 こんにちは! せめて元気くらいグーグルよりよくしたいなあと(一同笑い)思っております。あのヤフーの川邊と申します。4月からヤフージャパンのCOO(最高執行責任者)をやっておりまして。
ヤフーはですね、連結で5000人ですね。本体に4000人社員がおりまして、3000人男ですね。女性は1000人と。やっぱりエンジニアが6割ぐらいの会社ですから、どうしても男のほうが多いのかなと。はい。そんな感じです。よろしくお願いします。
ヤフー・川邊健太郎氏
真田 ちなみにアメリカとは人事交流とかそういうのも一切ないんですか。
川邊 そんなことないです。どっちも行ってますし、まあ外資の方もいっぱいいらっしゃるんですけど。ご存じのとおり、アメリカの収益のかなりがヤフージャパンからのロイヤルティになってるんで、向こうは結構ジャパンのサービスが手厚いんですね。
なので、向こうでジャパン担当とかいっぱい雇われてて、そこでこういろいろ、いろんな議論や人の交流とかいっぱいあります。
真田 なるほど。えっと、平均年齢は?
川邊 平均年齢は33歳です。
真田 33歳。
川邊 はい。最近、執行役員の平均年齢が10歳若返りまして、それが44ですね。よろしくお願いします。
真田 はい。ありがとうございます。それでは最後に飛び道具で猪子さんです(一同笑い)。
チームラボ・猪子寿之社長 何ですか。その枕詞は(一同笑い)。チームラボの猪子といいます。チームラボという会社をやってます。平均年齢とかはちょっと……わかんないっす(一同笑い)。
川邊 社員何人?
猪子 社員はちょっとわかんないんですけど、オフィスは300席あって。
川邊 おう。
猪子 だいたい埋まってる感じですけどね(一同笑い)。
チームラボ・猪子寿之氏
川邊 このあいだ見学しに行ったんですよ。チームラボに。すごいスシ詰め。
真田 スシ詰め?
川邊 こういう感じです、まさに。横の、横長のテーブルでね。
真田 はい、オチ担当で。わかりました。ありがとうございます。
はい、という皆さんで進めて参りたいと思います。
■グーグルは上司が部下の昇進を決められない
テーマは「成長企業の組織、チームマネジメント」ということなんですけれども。ちょっと人事面とか組織面にフォーカスして、お話を伺っていきたいと思います。
それではですね、まず皆さん1社ずつにですね、自社の社風とか人材の特徴ってどんなものかっていうあたりを、お話していただければと思います。特にですね、他社ではそんなことはないけど、うちの会社ではこういう人が評価される。あるいは出世する。
逆に、他社では評価をされるのかもわからないですけれども、当社ではこうした評価されるみたいな、人事面の特徴ですね。それが多分おそらく社風とか、そういうものになっていっていると思うんですけれど。
そういうどういう人が評価される会社なのか。これで、会社によって違いがあると面白いですね。
Aさんがグーグルに行ったら出世するけど、ヤフーだとハシゴを外されるとかですね。そういう特徴がわかるとですね。皆さんが、社長さんが多いんですけれども、転職するときにここにしようという役に立つかもしれないよと。ということでお話をお伺いしたいと思います。
さて、どういう方が評価されるか、あるいはどんな人材の特徴はどんなところなのかと。じゃあ、徳生さんからお願いします。
徳生 そうですね。ご質問を昨日いただいて考えたんですけど、なかなか難しくて。やたら個性が強い人間が多いですよね。物をはっきり言うし、あの……何ていうんですかね、遠慮して抑えない。
だから時々本音言うから、「え、どういう意味なの?」みたいなことを聞き直すこともあるんですけども、まあ本音が言い合えるからいいっていうところであって。
で、どういう人が出世するかってちょっと考えたときにですね。ちょっとまじめな話なんですけども、なんかドメインナレッジが深くて、そこで大きなインパクトを出したっていう人が多い。
つまり、どういう風にその製品を出したとか、これ技術系の話ですけども。どういった難しいことを可能にしたのかってことが評価されます。評価も上司だけが決めるものではなくて、チームの仲間のコメントや他部署のチームメイトからコメントをもらって、かなりフェアにディスカッションして決まっていきます。