米中経済戦争、これから何が起きるのか 経済覇権をめぐる"AIIB対TPP"の行方

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China's President Xi Jinping speaks during the opening ceremony of the 2nd annual World Internet Conference in Wuzhen town of Jiaxing, Zhejiang province, China, December 16, 2015. REUTERS/Aly Song

2016年に日本人が最も意識すべきなのは、AIIB(アジアインフラ投資銀行)対TPP(環太平洋経済連携協定)という対立軸だ。あえて言い切ってしまうのは、これを補助線にすると日本をとりまく国際情勢がくっきり見えてくるからだ。

中東から世界各地へ広がるテロや欧州情勢の混迷など、2016年の世界は不安定に満ちている。根源には米国や欧州など先進国の政治力・経済力の相対的な低下と、新興国の台頭がある。その先頭に立つのが中国だ。同国のGDP(国内総生産)は5年前に日本を抜き、いまや日本の2倍を超える。

中国の影響力が拡大

『米中経済戦争』は12月21日(月)に全国発売

2015年には、中国の影響力拡大を実感させるニュースが続いた。3月のAIIBへの英国の電撃的な参加表明に始まり、6月から8月にかけて中国の株価急落が世界を揺るがした「中国ショック」、9月の抗日戦争勝利70周年記念軍事パレード、10月の南シナ海での米中対立、11月のIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)構成通貨への人民元採用など、大きなイベントが目白押しだ。

どの話題にも、国内の構造改革を進めると同時に国際的地位の向上を求める中国の動きがからんでいる。

アジア太平洋はこれからの世界経済の成長センターだ。この地域のルールの設定権を握ることは、21世紀のリーダーシップを目指す国にとっては必須の課題である。

そこに立ちはだかるのが米国である。

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