最近は企業の採用意欲が高まっているので、中途採用で優良企業に転職するケースは珍しくない。特に大きな実績をあげなくても、3年間勤務し続けたこと自体が評価されるので、少なくても3年は勤められる企業を選んでいただきたい。
就職四季報には【離職率と離職者数】という項目がある。ここでいう「離職率」とは、新入社員を対象にした「3年後離職率」とは異なり、会社全体でどのくらいの社員が離職しているかを示す指標だ。
離職率の計算式は――
(前年度1年間の離職者数)÷(前年度期首の社員数)×100、で算出される。ただし、定年退職やグループ会社への転籍は離職者数に含めていない。つまり、自己都合で離職した人数で、リストラで退職した人の人数も含む。
注意すべきは、会社がリストラの一環で早期退職を募集した場合など一時的に離職率が高くなるときがある。このため離職率をチェックする場合は、単年だけ見て離職傾向を判断することはできない。過去3年程度のバックナンバーも合わせてチェックしておくことをお勧めする。
居心地の良い企業をどこで見分けるか
このため、離職率のチェック基準としては、リストラなどの特殊要因がなくても、5%を超えている場合は高い水準といえる。リストラをした結果としても10%を超えればかなり大きなリストラを断行したことになるだろう。
一方、居心地のよい会社ならば、社員はなかなか辞めない。その居心地の良さを表す指標が「平均勤続年数」の長さだ。企業のHPやパンフレットに「暖かい社風」「家族的な経営」などと書かれていることがあるが、こういった抽象的な表現には注意が必要だろう。
企業はそもそも、自社のHPやパンフレットにイメージが悪くなることを書くわけがない。居心地の良さを知りたいのならば、曖昧な表現に惑わされずに平均勤続年数をチェックしよう。
ただ、平均勤続年数が長いということは、社員の移動が少ないため比較的固定的なメンバーで長く働くことを意味する。こうした企業は新事業への意欲に欠けていたり、人事制度も保守的であったりするかもしれない。チャレンジ精神が旺盛な人には向かない場合もある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら