女性活用、3つの「失敗パターン」への処方箋 大手の真似をしても成功するとは限らない

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清水さんの著書『輝く会社のための女性活躍ハンドブック』も発売中

まず有効なのは、子どもを持つ女性にも難易度の高い仕事に挑戦する機会を与えること。成功・失敗の両方を経験させ、管理職に必要な知識、経験、判断力などを培える場を用意しましょう。

女性の意向に応じた、フレキシブルな育児支援制度を整えることも重要です。昇進意欲のある女性ほど、キャリアの断絶につながらないよう、育児休業の長期化を避ける傾向にあります。そういった場合にはベビーシッター代を支給するなど、会社が子どもの保育の保証をし、早く復帰できるようなサポートをすると効果的です。

そもそもアプローチすべきは、すでに出産・育児を経験した女性社員だけに限りません。若手女性向けのキャリア教育では、退職すること、仕事をセーブすることのデメリット、そして働き続けること、管理職を目指すことのメリットを戦略的に伝えていきましょう。

これらの施策から、「将来は管理職を担ってほしい」という会社のメッセージが女性社員たちにも伝わっていくはずです。

「完全平等」でも、うまくいくとは限らない

それでは、次のケースを見ていきましょう。

■ケース2:管理職候補となる女性を採用しても、じきに辞めてしまう
新卒採用時には、女性の正社員・総合職を男性と同数採用。能力も意欲も高い女性が多く、事実、若手営業社員の成績上位者に占める女性の割合も高い。
しかし、女性社員だけの定着率が極めて低く、新卒で入社した女性社員は、入社5年目までに半数が退職してしまう。
人事制度は完全な実力主義を掲げ、「男女平等」「機会均等」の理念に基づき「成果を出す人材への適正な評価」をしている。ただし、子どもの有無、介護の有無など、社員の個人的な事情には、特に配慮していない。

 

こちらは「弱肉強食型」とでも呼ぶのがいいでしょうか。このケースのように、「男女平等」「機会均等」をしっかり掲げているにも関わらず、女性だけが辞めてしまうという会社も、昨今増加傾向にあります。

このような組織が抱えがちな課題は、「長時間労働を前提とした仕組みであり、時間的制約条件を抱えた女性が働き続けられないこと」、そして「ライフイベントを持つ女性たちが、将来長く活躍するイメージを持てないこと」ではないでしょうか。

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