女性活用、3つの「失敗パターン」への処方箋

大手の真似をしても成功するとは限らない

言うまでもありませんが、出産は女性にしか担えません。また日本では、たとえ共働きであっても、家事労働の負担が圧倒的に女性に偏っている状況です。そんななか、ビジネスだけ完全に男女平等にしてしまっては、女性は昇進を目指すどころか、働き続けることすら難しいのです。

こういった会社ではまず、時間的制約のある人が不利にならないルールを設定するとよいでしょう。たとえば、社内の会議を10〜15時のコアタイムに集中させる、朝礼を廃止して個別伝達にする。これで時間的制約がある人でも、意見を述べたり、業務の進捗を把握したりすることが容易になるでしょう。

そしてもう一つ、長時間かけて成果を出す人ほど評価されるような風潮を改めることです。時間当たりの労働生産性を重視して評価することで、短い時間でも効率的に働く人を正当に評価することで、時間的制約のある女性でも管理職候補になれるでしょう。

「男女平等」「機会均等」という方針を貫く場合でも、このように評価の「軸」をちょっと変えてやれば、「この会社で長く活躍できるかも」と前向きに考えられる女性社員が増えてくるはずです。

「女性には任せられない空気」が蔓延する職場

さて、最後のケースを見ていきましょう。

■ケース3:管理職になる条件を満たしている女性はいるが、登用されていない
過去、女性は秘書などのアシスタントとしての採用が中心だったが、20年ほど前から総合職女性の採用を積極的に行っている。
しかし、未だに「女性には管理職を任せられない」という風土が根強く、女性は管理職に昇進できない。もしくは、昇進できたとしても、明らかに男性よりも遅い。
中間管理職層も、女性に難易度の高い仕事や社外折衝が伴う業務を与えていない。そのため女性社員からは「仕事にやりがいを感じられない」「成長実感がない」といった声が上がっている。優秀な女性社員が転職する事例も頻発している。

 

このケースのように、優秀な女性を採用しても女性管理職が増えない、という会社もよく見られます。無理もありません、そもそも上層部や中間管理職が女性を管理職候補と見なしていない「化石型」企業なのですから。

課題を整理しますと、まず「女性には任せられない、という風土を修正する努力が成されていないこと」、ゆえに「女性には管理職として必要な業務経験を積む機会が与えられていないこと」、そして「すぐに女性のやる気が失せてしまうこと」が大きいと言えるでしょう。

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