ポストPC時代、オフィスでもクラウド化が一段と進む--仮想化技術大手、米ヴイエムウェア副社長に聞く
IT業界でクラウド化が進む中、抜きでは語れない企業がある。仮想化技術で市場を牽引する、米ヴイエムウェアだ。同社のソリューションを導入している企業は世界で25万社を超える。仮想化技術とはソフトを使って「仮想的なコンピュータ」を作ること。実際のコンピュータよりも自由に性能を調整できるため、クラウドを運用するには欠かせない技術だ。ラグー・ラグラム副社長(写真)、および三木泰雄・日本法人社長にクラウド化の動向について聞いた。
--クラウドに移行する企業も増えてきた。IT業界ではどのような変化が起きているのか。
ラグラム クラウドは今、とてもエキサイティングな時期に突入している。トレンドに大きな変化が訪れているからだ。まず、数多くのクラウド・プロバイダが登場している。通販大手の米アマゾンがクラウドサービスで成功してから、ここ2~3年の間にたくさんの企業がクラウドサービスを始めた。そのうちヴイエムウェアの仮想化技術を使っている企業は6000社以上、48カ国に上る。
--日本の状況とは。
三木 日本でのクラウド化の流れは米国より数年遅れている。日本の企業は“安全稼働”を第一として新しいテクノロジーに慎重だからだ。
しかし、最近では日本でも当たり前のサービスとして受け入れられてきた。スタートが遅かった分、クラウドに移行するスピードは最も速い国と言えるだろう。ヴイエムウェアも日本への投資は積極的だ。特に日本はサポート体制にシビアであり、サポート部門を厚くしている。社員は1年で100人増え、現在は250人になった。