松本:GDPは国内総生産と日本語訳されますが、一定期間に国内で生産されたモノやサービス、付加価値の合計額です。日本企業が外国で生産したモノやサービスは含みません。お店でモノを買ったり、家を建てたりして使われたおカネの総額ですね。
木本:むかーし学校で習ったのを覚えているんですけど、国民総生産とは何が違うんですか。ずっとわからんかったので教えてください。
松本:国民総生産(GNP)は、日本企業が外国で生産したモノやサービスも含んでいたので、それを取り去ったのがGDPです。今はGNPという概念そのものがなくなっています。
木本:難しいですね。
松本:もうGNPはなくなっているので忘れて大丈夫です。要するに、GDPは日本で生み出される付加価値の合計だと思ってください。おおざっぱにいえば、最終製品やサービスの売り上げの合計です。これを全部足し込むわけです。
おカネを使う主体としては政府、企業、個人があるわけですが、重要な点は、ざっくり言ってGDPの6割が個人消費だということ。個人が使うおカネというのは非常に大きいのです。
個人消費がGDPの6割を占めている
木本:個人消費が6割もあるんですか。
松本:だから500兆円といったら300兆円は個人消費。
木本:みんなでそれだけ使ったと?
松本:使った。何かを買いました。食べ物を買いました。あるいはコンサート行きました。イベントに行きました、それでおカネを払いましたと。それ全部が個人消費。それらを積み重ねたものがGDPの約6割を占めていると。だから個人消費が伸びればGDPは伸びる。
木本:経済が成長するわけですね。
松本:実は……。僕は、マイナンバーを導入したことでGDPはボンと上がると思うんです。なぜなら、現在、日本では、GDP算出のための「個人消費」の数字は売っている側の人が申告して取っているから。つまり、そのお店に「いくら売り上げがありました」と届けて、その合計額でGDPの個人消費がカウントされる。今はもしかするとちょっと少なく申告している可能性があるわけです。
木本:といいますと。
松本:イメージとしてですが、クレジットカードで、モノを買ったら当然わかります。だけどレストランに行った時に現金で支払ったら、領収書を出したら記録に残るけど、売れなかったことに……。
木本:しちゃえますもんね。
松本:できますよね。日本は現金支払いが多いから。
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