2016年相場は「3年、30%、300兆円」に期待 年内慎重ムードで日経平均の上値は限定的
前回(11月25日)の本稿で『フシ目よりも押し目に目配せが必要』とお伝えした。12月に入り日経平均株価は1万9400円台まで調整し、弱含みの展開となっている。
2015年の流行語大賞のひとつに『トリプルスリー』が選ばれた。『打率3割、30本塁打、30盗塁』と攻走兼備、日本球界ではわずか10名(今年の2名含む)しかいない野手の偉業だ。株式市場に目を移すと、2016年のアベノミクス相場に『3年、30%、300兆円』というトリプルスリーも浮かんでくる。そこで3つの観点から今後の日本株のポイントを探ってみた。
今後のアベノミクス相場を占う
①株高3年を超えられるか
石の上にも3年、戦後の景気サイクルの拡張期(第2~第15循環)も平均3年(36.3か月)。景気浮揚に至るまでの時間軸がうかがえる。15年度の大企業の国内設備投資額は全産業で1割超の伸びとなるなか、16年度には法人実効税率や固定資産税の軽減等から中小企業の設備投資も後押しする方針だ。国内失業率は3.1%と完全雇用の水準に近づき、人手不足から総じて賃上げ(正規雇用だけでなく非正規の最低賃金底上げ)の流れが見えつつある。今後は個人消費拡大につながり、もう一段の株高へ至るのか。
日経平均株価は12年6月安値8295円を起点にすると、ちょうど3年目に当たる15年6月高値2万0952円で上げ一服。今夏の中国ショック以降、2万円前後での上値が重くなりつつある。16年のアベノミクス相場は景気サイクルと株高の両面で『3年の壁』を超えられるか、第二幕入りが試される。
②年率30%超のパフォーマンス
1949年(東証再開)以降の日経平均株価を『首相別パフォーマンス』で振り返ると、年率30%超となったのは4人(鳩山一、中曽根、竹下、安倍)。平成以降に限ればアベノミクス相場(年率31%:11月末時点)だけとなる。1990年(バブル崩壊)以降の『西暦別騰落率』をみても、年30%超は3回しかない。99年の36%高(ITバブル相場)、2005年の40%高(郵政解散相場)、13年の56%高(日銀異次元緩和)と、いずれも東証1部時価総額が300~400兆円台からの株高だった。足元の時価総額が600兆円前後に達しているなか、16年はアベノミクス相場が年率30%台を堅持できるか、注目される。
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