「ない仕事」を作り出す"一人電通式"の秘密

すっげー変わったヤツのありえない創造力

本書は、「ない仕事」を生み出す過程を公開している(絵:新井文月)

企画も営業も接待も自分でやる「一人電通」

上の画像をクリックするとHONZのサイトへジャンプします

たまに人を紹介してもらえる時があるのだが、「あいつはいいやつだから」と紹介されるより、「すっげー変わったヤツがいるけど、会ってみる?」という誘い方のほうに魅力を感じてしまう。私の場合は後者のような人ほど興味深く、また彼等は独自のプリンシパルを持ち合わせている場合が多い。

本書の著者はみうらじゅん氏。デビューして今年で35年「ゆるキャラ」や「マイブーム」などの名付け親としても知られる。ラブドール・毒ヘビ・いやげ物・らくがお帳……著者が発する対象は、次に何が出てくるのかわからない魅力がある。テレビや雑誌ではサングラスに長髪姿を見かけるが、彼の本業は何なのか不思議に思っている人も多いのではないだろうか?

書影をクリックするとアマゾンの販売ページにジャンプします

本書はこれまで世の中に無かった仕事を、さも「ある」ものとし仕事とするまでの過程を公開している。企画も営業も接待も全部自分でやるので、本人はこの方法を「一人電通」と称している(クライアントによっては「一人博報堂」)。

さらに本書はビジネス書なのだが、著者のキャラクターのせいか、本を読むという抵抗感が全くなく気楽に読める。小難しいことは一切登場せず、ただただ面白く読めるのだが、アイデアの閃き方やネーミングのコツなど、仏像や海女などブームを生み出してきた例をあげながら紹介するため非常に説得力のある場面が多い。

著者がブームを仕掛ける際、まず第一印象の悪いもの、違和感があるものをターゲットに選ぶ。たとえば以前はよく見られた玩具のゴムヘビ。「こんなの贈られたら嫌だなあ」と思うものに注目している。普通は違和感があるのだが、その違和感があればあるほど、地方の土産屋を巡りゴムヘビだけを買い続け、無理やり自分の使命くらいまで買い続けてくると、次第に愛着がわいてくるそうだ。著者はこの方法で自分を洗脳していく。

次ページチャンスは最悪の事態に転がっている?
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 草食投資隊をフォローせよ
  • 最新の週刊東洋経済
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 中原圭介の未来予想図
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
白川日銀前総裁インタビュー<br>中央銀行の役割とは

退任から5年半。総裁就任前を含め、日銀とともにあった足跡を記した著書『中央銀行』が出版された。なぜ今沈黙を破ったか、金融政策が数々の批判にさらされたのはなぜか。日本経済の持続可能性への思い、中央銀行の果たすべき役割とは。