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「ない仕事」を作り出す"一人電通式"の秘密 すっげー変わったヤツのありえない創造力

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  • 新井 文月 芸術家。アートディレクター
2/2 PAGES
“無意味なものでも、人は大量にあるものに弱いんですよね。一つひとつには興味を持たなくても、大量にあると、スゴイと錯覚しますから(笑)”

 

たしかに「いやげ物」というジャンルを確立した時のように、最初いやなものでも、ネーミングだけで価値がでてくる場合もある。いいも悪いも、自分のものの見方次第だ。案外、最悪の事態にチャンスは転がっているのかもしれない。

これまでに「ない」人生相談コーナーを掲載

そして著者のモットーでは趣味は突き詰めないといけない。俳優の田口トモロヲ氏と「ブロンソンズ」というコンビを1994年から組んでいるが、ブロンソンとは60~80年代アクションスターとして一世風靡したチャールズ・ブロンソンだ。いまの尺度から考えれば、ブロンソンはイケてるルックスではない。皺だらけの顔にヒゲ(著者はぶちゃむくれフェイスと命名)。出演する映画はB級アクション。通常、俳優であればメジャーに移行したり演技派に転向するのに、ブロンソンは70歳を過ぎても、アクション映画に出ていた。しかも内容はほとんど「愛する人を殺されたため、復讐の鬼と化して悪を懲らしめる」という展開のものばかり。(ヒロインは妻ばかりを抜擢)いつまでも同じ仕事を続けている彼に2人は「男気」を感じ惹かれていった。そこで当時のスタジオ・ボイスに連載を売り込み、「仕事をえらんでいるようじゃ、まだまだだぜ」といった力強いメッセージをブロンソンになりきって答えるという、これまでに「ない」人生相談コーナーを掲載していた。私もこのコーナーを読んでいたが、なぜかブロンソンに勇気づけられた気がする。

その後、人生相談をまとめた単行本『ブロンソンならこう言うね』や、CMソングと映画をテーマに勝手に日本語をつけて歌ったCD『マンダム~男の世界/大脱走'95』を発売、さらにはブロンソンが亡くなったときは「ブロン葬」というお別れイベントまで開催。著者曰く、これが「突き詰める」ということらしい。アルバムCDはその後、タランティーノ監督も購入したそうだ。

著者のように、これだと決めたら自分で営業をかけ、 ブームを起こすためというよりも多くの人に魅力を知って欲しいためクライアントと飲み、相手がへべれけになった2軒目で仕事を取るくらいのスタイルもありかもしれない。

ちなみに本書の装丁だが、大ブームであった『ビックリマン』のヘッドが出た背景のようなホログラム仕様となっておりキラキラと輝いている。まるでマイブームに対して著者が背中を押しているように思えてくるから不思議だ。本書は含蓄ある内容なので、突き抜けたい人はもちろん、単純に気になる人も軽く読んでみることを強くおススメする。

 

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