「しくじり先生」出演者はなぜ愛されるのか? 制作陣が語る、しくじりを"転換"する秘訣
しくじり先生では、「おもしろく見られたい」と思ってやっている先生は出てきません。それだと、タダのおもしろいエピソードトークをしているだけの番組になってしまいます。心の叫びに近いものを放出してもらわないと番組の趣旨とは違ったものになってしまいますので。
出てもらったからには後悔させない!
——そこまでの信頼関係を築くためには、どのようなことが必要ですか。
北野:そもそも「しくじり先生」は、言いたくないことを言わす「どS番組」です。蓋したい部分にズカズカと入り込んで、しくじった当時の週刊誌をチラッと見せて、「この時のコレはなんですか」と言いながら質問を浴びせて、その結果をテレビで放映する。それをやらせているわけじゃないですか。なのに、「おもしろくない」と視聴者に思われてしまったら、出演してくれたしくじり先生にとっては、なんの意味もなくなってしまいます。
だから、出演していただく限りは、絶対に「この先生、すごいな。おもしろいし、ためになるし、ここまで話すっていい人だな」と思ってもらえるように仕上げようと制作している人間は、みな気をつけながら作っています。
打ち合わせは、タレントさん、マネージャーさん、ディレクター、放送作家、ADという少人数でやっているので家族会議のような雰囲気があるといえばあります。あとは、実績じゃないですかね。特番のときは本当に大変だったのですが、中田さんがあれだけぶっちゃけてくれたあと、藤崎マーケットさんあたりくらいまでは本当に感謝です。その方たちがきちんとやってくれたから、「ああ、こんな感じね」という空気感が伝わってバトンが渡っているのですから。
——「俺みたいになるな!!」という思いで特番を3回やって、1年後に深夜帯が決まり、その半年後にゴールデンまできました。今はどんな気持ちですか。
北野:「そっとしといて・・・」って感じですかね。スポンサー、相手事務所のマネージャー、局の自主規制など、ゴールデンになるといろいろな調整が本当に大変です。だから、最初は乗り気ではなかったです。でも、いよいよゴールデンへいくのが決まって、3月26日に放映した深夜帯の最終回は、ゴールデンへ行くにあたっての僕の思いを詰めるだけ詰めて、「これを心得として、ゴールデンへ持っていってもらいたい」という思いで授業しました。もう、あの回は完全燃焼です。中田さんも以降、「俺は出し切ったから」といって、なかなか出てくれない。とはいえ、人気が出てゴールデンに進出することは、うれしいことでもあると思うので、いろいろなジャンルのことをやりたいと思っています。
金井:僕は基本的に演出がやりたいことをサポートするくらいじゃないですか。北野、シンデレラボーイなんで(笑)。
北野:シンデレラボーイじゃないですよ。ああ、もう、ほっといてほしい…。
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