伊東屋で売れる「ちょい上」ボールペンの秘密 膨大なペンの中でなぜこれがトップ商品に?

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販売店からも「見た目や書き味ともに特徴的なので売りやすい」と好評らしく、現在、同社店舗の他、全国の文房具店や書店、百貨店など、約150店舗で取り扱いがある。

増えていくオリジナルアイテム

「カラーチャート」の開発も手がける、伊東屋タイムバリュー商品部マネージャーの芦澤友紀さん

人気のオリジナルブランドはロメオだけではない。鮮やかな発色の文具や小物などを展開するブランド「COLOR CHART(カラーチャート)」なども売れ行きがよいそうだ。「店舗を持っているので、現場の声を開発にすぐ反映できる」と、伊東屋タイムバリュー商品部マネージャーの芦澤友紀さんは、同社ならではのモノ作りの強みを語る。

伊東屋は、数年前からオリジナルブランドの開発に本腰を入れて取り組んでいる。2011年には製造卸を担う「伊東屋タイムバリュー」を、2013年には企画やデザインを主体とする「伊東屋研究所」を設立。週に1度のデザイン会議には、伊藤明社長も必ず参加する。

社長は過去にアメリカで工業デザインを学んでおり、社長のスケッチが商品デザインの原案になっているそう。NO.3も、社長のスケッチから生まれたものだ。

現在、全商品8万点のうち、オリジナル商品の数と売り上げはともに全体の約10%。金丸さんは、今後の展望についてこう語る。「差別化のため、伊東屋に来ないと買えないものを作る。商品数の割合は、今後全体の30%まで上げていきたい。店舗『トップドロワー』に関しては、最終的には全てオリジナル商品にしたい」。

時代の変化に合わせ、ブランド開発や本店の大幅リニューアルなど、新たな挑戦が続く伊東屋だが、思えば創業当時も時代の挑戦者だった。西洋文化が急速に流入してきた時代に率先して海外文具を紹介し、オリジナル万年筆まで作っていたのだから。NO.3は当時の意匠イメージを踏襲したというが、こうした伊東屋ならではの挑戦魂も刻み込まれているのではないだろうか。

(撮影:梅谷秀司)
 

佐藤 ちひろ ライター・エディター

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さとう ちひろ / Chihiro Sato

インテリア専門商社にて内装デザインや商品開発リサーチ等を担当後、美容系ECサイトや新聞生活情報面の編集に携わる。独立後は企業取材やライフをテーマにした企画を中心に執筆活動を展開。東洋経済オンラインでは「めちゃ売れ!コスパ最強商品はコレだ」「溺愛される商品にはワケがある」など消費財関連の連載執筆を担当。プライベートでは1児の母。

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