ハリウッド大作が「朝1回上映」に追いやられるシネコンの異常事態、史上最高興収に沸く日本映画界で起きている《カオス化》の深層
1月23日の公開からまだ3週間しか経っていない『MERCY/マーシー AI裁判』も朝8時45分から。高齢者向けの作品ならわかるが、近未来のAI裁判を描くSF大作が早朝枠とはどういうことか。
昨年12月24日公開の『映画ラストマン-FIRST LOVE-』と同月26日公開の『劇場版「緊急取調室 THE FINAL」』という、2つのテレビドラマの映画化作品も、1日1回のみの上映だった。
さらに驚くのは、昨年10月31日公開の大ヒット映画『爆弾』が1日1回だけではあるものの、まだ上映している。同年9月19日公開の『劇場版「チェンソーマン レゼ篇」』、7月18日公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』までもが1日1回の上映が続いている。
昨年6月公開の『国宝』に至っては、公開から8カ月が過ぎてなお上映中で、1月にはIMAXでの特別上映まで行われた。この映画はついに興収200億円を超えたと報じられた。これらのヒット作は、午後の見やすい時間帯に上映されている。
月別公開本数データから見えた「驚きの結果」
最近公開された新作は、配給会社との契約上、一定の上映期間を確保する必要がある。だから朝の1回のみ上映なのだろう。それらよりずっと前に公開された作品はとっくに終了していておかしくないのに、上映が続いている。ロードショーの常識が変わり始めているようだ。
メガヒット作がロングランでスクリーンを占有し続け、新作も次々と入ってくる。不入の大作は早朝の1回きりの上映に追いやられる。リバイバル上映はその隙間を埋めているのだ。コンサートや芝居を映像化したODS(非映画デジタルコンテンツ)も増えている。
アニメがハリウッドを駆逐した影響は、単に興収シェアが変わっただけではない。映画館の上映スケジュールそのものを、根底から作り替えてしまったのだ。
この映画館のカオスぶりを数字で検証してみた。映画情報サイト「映画.com」の公開作品リストから、劇場公開作品に限定して月別の本数をカウントすると、驚くべき傾向が浮かび上がった。2024年から25年にかけて前月比の公開本数が急増しているのだ。



















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