任天堂の「失敗ハード」が現代に復活、赤黒の立体映像に潜んでいた弱点はいまもVRゲームが抱える根本課題だった
本作はサイドビュー(人形劇のように横から見た画面)で、奥行きがあるのが特徴。ワリオが画面の奥のほうにある足場へ移動したり、こちら側へ戻ってきたりするのだ。
ただしこの奥行き、本当に遠くにワリオが行くだけでアクションゲームの仕掛けとしてのおもしろみは特にない。正直、通常の映像でも特に問題ないように思う。実際、ニンテンドー3DSでも同様の仕掛けを用意したアクションゲームはあったが、ちょっとした映像の驚きがある程度だった。
このように、バーチャルボーイにおける過去の試行錯誤と、それがうまくいかなかった理由がよく見えてくるのである。もちろん失敗した理由はゲーム内容だけではないが、遊んだだけでもいろいろ問題点が見えてくるのだ。
失敗したハードでも重要な「任天堂の歴史」
ただし、任天堂の歴史においてバーチャルボーイの立体映像技術はその後も地味に続いている。
2001年発売のゲームキューブでも立体映像を使う案があったようだし、2011年発売のニンテンドー3DSでは裸眼立体視に対応している。過去の資産を受け継いでおり、バーチャルボーイの試行錯誤が実を結んだといえるかもしれない。
そして、ニンテンドー3DSを持っていた人ならばわかると思うが、残酷なことに立体映像はおもしろくとも必須ではない。
ニンテンドー3DSですぐに立体視をオフにした人もたくさんいるだろうし、その後に立体視の機能自体がないニンテンドー2DSが出たことからもそれは明白である。ゲーム体験と立体映像をうまく結びつけることはできなかったようだ。
3Dグラフィックのゲーム、かつ主観視点かそれに近いものであれば立体映像は向いており、それは現在のVR技術が模索しているところだろう。
ただ、ゲーム体験と立体映像の究極的な融合は難しそうである。PlayStationの『アストロボット』シリーズは最初VR専用ゲームとして登場しており非常におもしろかったのだが、その数年後に出た通常のゲームのほうが結果として高く評価されている。
映像の情報量が増えることがメリットに直結するような体験、つまりコミュニケーションツールならば立体映像を生かせるだろう……と考えると、これはまさしくソーシャルものが流行しているVRの現在地になるのかもしれない。
ともあれ、任天堂の失敗ハードといえるバーチャルボーイにいまアクセスできるのは貴重な経験となる。過去を懐かしむのみならず、これからビデオゲームが目指す先を知る手助けにもなるはずだ。
もしかするとまだ任天堂は立体映像を諦めておらず、機会があれば再びこの技術が役に立つのかもしれない。そんなことを思わせる貴重な再訪となった。
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