「出雲の人々の心を魅する純朴さは、ここにはありません」 朝ドラ「ばけばけ」ハーンが"面白味がない"と熊本ディスった理由

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熊本城
(写真:kazukiatuko / PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「ばけばけ」が注目を集めている。明治時代の作家・小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルにした物語である。ギリシャに生まれて、アイルランドで幼少時代を過ごしたラフカディオ・ハーンが日本に渡ったのは、40歳のとき。翌年に小泉セツと結婚し、46歳で日本国籍を取得。小泉八雲として第2の人生を送った。「耳なし芳一」などの『怪談』で知られる小泉八雲と、その妻の小泉セツは、どんな生涯を送ったのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
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「松江が寒い」以外にあった熊本赴任のワケ

朝ドラ「ばけばけ」では、ヘブン先生(演:トミー・バストウ)がいきなり「マツエ、フユ、ジゴク。ハナレルシマショ」と言い出してトキを困惑させた。

「そんな理由で……」と驚いた視聴者も多かったことだろう。だが、ヘブン先生のモデルとなっているラフカディオ・ハーンは、実際にもかなり寒がりだった。

トキのモデルとなっている小泉セツは『思い出の記』で、次のように振り返っている。「ヘルン」とはハーンのことである。

「出雲は面白くてヘルンの気に入ったのですが、西印度のような熱いところに慣れたあとですから、出雲の冬の寒さには随分困りました。その頃の松江には、未だストーヴと申す物がありませんでした。学校では冬になりましても、大きい火鉢が一つ教場に出るだけでした」

ハーンは来日前に西インド諸島を訪れて、クレオール文化の調査・研究を行っている。暑い気候からのギャップはことのほか大きかったようだ。

鳥取県の東郷池を訪れたときも、松江と同じく寒さにやられてしまったらしい。「冷たい風はわたくしには身を突き通すばかりにこたえ、病気になってしまいます」と8月にもかかわらず書いている。ハーンからすれば、毎年やってくる松江の冬の厳しさは、転居するに十分値する理由だった。

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