「出雲の人々の心を魅する純朴さは、ここにはありません」 朝ドラ「ばけばけ」ハーンが"面白味がない"と熊本ディスった理由
「松江が寒い」以外にあった熊本赴任のワケ
朝ドラ「ばけばけ」では、ヘブン先生(演:トミー・バストウ)がいきなり「マツエ、フユ、ジゴク。ハナレルシマショ」と言い出してトキを困惑させた。
「そんな理由で……」と驚いた視聴者も多かったことだろう。だが、ヘブン先生のモデルとなっているラフカディオ・ハーンは、実際にもかなり寒がりだった。
トキのモデルとなっている小泉セツは『思い出の記』で、次のように振り返っている。「ヘルン」とはハーンのことである。
「出雲は面白くてヘルンの気に入ったのですが、西印度のような熱いところに慣れたあとですから、出雲の冬の寒さには随分困りました。その頃の松江には、未だストーヴと申す物がありませんでした。学校では冬になりましても、大きい火鉢が一つ教場に出るだけでした」
ハーンは来日前に西インド諸島を訪れて、クレオール文化の調査・研究を行っている。暑い気候からのギャップはことのほか大きかったようだ。
鳥取県の東郷池を訪れたときも、松江と同じく寒さにやられてしまったらしい。「冷たい風はわたくしには身を突き通すばかりにこたえ、病気になってしまいます」と8月にもかかわらず書いている。ハーンからすれば、毎年やってくる松江の冬の厳しさは、転居するに十分値する理由だった。


















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