グローバル人事の「目」(第4回)--現地マネジメントに必要なコミュニケーション能力
この順番に物事を考えて伝えていけば相手にもすんなり伝えることができる。重要なのはソラとアメ、アメとカサの間に正しさや納得感を持たせたることで、この並びで見た時に違和感がないようなシナリオにすることである。
また「ソラ・アメ・カサ」の本質は思考の順番ではなく、組み合わせにある。まずどんな対策を行うかという発想があり、(カサ)、その対策の内容の正しさと説得力を高めるために後付けでソラとアメをくっつける(結果的に「ソラ・アメ・カサ」となるように論理的に再構成・検証する)というアプローチでも構わない。ソラ・アメ・カサの3点が組み合わされていることが要諦と言える。
実際にビジネスの場面で説明をしたりするときには、「1つの事実→1つの意味合い→1つの対策」というような直線で組み立てられことは多くない。ゆえに根拠となる事実から積み上げる帰納法と仮説を設定し検証する演繹法を状況により使い分けられるよう身につけさせる。日本語でもいいのできちんと身につけさせることが必要である。
人事ジャーナリスト、コンサルタント、HRストラテジー代表、MSC(マネジメントサービスセンター)エクゼクティブアドバイザー
プライスウォーターハウスクーパース、マーサー・ジャパン、アクセンチュアのプリンシパルを経て現職。外資系・日系の大手から中堅企業までの組織・人材マネジメント改革に従事。クライアント数は18年間の累計で300社を超える。著書に 『M&Aを成功させる組織・人事マネジメント』(日本経済新聞社)。寄稿、講演多数。
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