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ライフ #サオリス・ユーフラテスの数字の向こう側

「かわいそう」と言われても…肉になる運命だった白馬が20年無事故で繁華街を歩く訳—プロが明かす"馬を仕事にする"現実と覚悟

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「じいじが絵本になった」と喜んでくれる孫は5人。

馬の魅力を尋ねると、「癒やし」と答える。

「音、揺れ、存在そのものが素晴らしい動物」

馬とうまく付き合う方法は、ひとと同じだという。

「寒いかな、お腹空いたかな。馬は言葉を話せない分、予測してケアしてあげる」

馬の気持ちはわかる。しかし——。

「女の気持ちだけはわからん」と笑う貞松さん。気づけば、取材は90分を超えていた。


(画像:筆者撮影)

趣味が仕事、仕事が趣味

これからやりたいことは? そう聞くと、貞松さんは即答した。

「ない。これでいい。今の暮らしが好きってこと」

今やっていることが一番楽しいから、これを一日でも長く続けたい。

「馬を育てることが僕は大好きで、それが趣味なんですよ。好きなことをやって、それが仕事。趣味が仕事で、仕事が趣味」

好きな馬と一緒に暮らしていくために、人馬一体となってごはんを食べるお金を稼ぐ。それが貞松さんの幸せだ。すでにやりたいことをやっている。だから、この日々を一日でも長く続けていきたい。

「借金がなくなればいいけどね」と、どこまでも自然体だ。

「馬は難しければ難しいほど楽しくなってくるの」

同じ馬でも、毎日違う。昨日は平気だったことが、今日は怖い。昨日は言うことを聞かなかったのに、今日はめちゃくちゃ素直。そのスイッチを探し、見つけ、向き合う。それが楽しくてたまらない。

「飽きない。ぜんっぜん、飽きない」

貞松和彦、58歳。

馬と生きると決めた少年は、今日も、これからも、馬と共に幸せを運び続ける。


(画像:筆者撮影)
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