ちなみに、貞松さんは動物アレルギーだ。
「よその馬とか洗ってないと、すぐ蕁麻疹が出る。だから連れて帰ってきたらすぐ洗うの」
馬を愛し、馬と暮らし、馬と働く男が、実は動物アレルギーだと言う。「洗えば大丈夫」と明るく笑う貞松さんのもとで暮らす動物たちは、きれいに手入れされている。
20年越しの「種まき」
冬になると、貞松さんは「サンタさん」になる。
11月からクリスマスにかけて、幼稚園や保育園を馬車で訪問する。赤い衣装を着て、白い馬車に乗って現れるサンタクロース。子どもたちは大喜びだ。この活動を、20年以上続けてきた。
最近、不思議なことが起きているという。
ノートルダムマリノアで、馬車に乗せた新婦の言葉だ。
「子どもの頃、私の保育園にサンタさんが馬車で来たんです。その時から、馬車に乗るって決めてたんです」
保育園の名前を聞いて「まさか」と思った。「そのサンタさんっておじさんだよ」と言うと、新婦は馬の名前を口にした。
20年前にまいた種が、花開いた瞬間だった。
「『やっててよかったな』って思う。そういうことが、最近増えてきて。みんな馬の名前をおぼえてる。やっぱり、馬ってすげーなって」


















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