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「かわいそう」と言われても…肉になる運命だった白馬が20年無事故で繁華街を歩く訳—プロが明かす"馬を仕事にする"現実と覚悟

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全国から馬の調教依頼も来る。

「ちょっと手に負えない馬たちがうちにお勉強に来るんですよ」

CMやプロモーションビデオなど、撮影の現場からも声がかかる。馬を貸すこともあれば、自ら現場に入ることも、監修だけで呼ばれることもある。

「監督が求めていることを、どこまでできるか。向こうは馬のことがわからないので、『こんなシーンは撮れますか?これは無理ですか?』ってすり合わせをして」

貞松さんは自らを「イベント屋」と呼ぶ。何でもやるイベント屋。今は馬車事業が主だが、馬のことなら何でも相談が来る。

結婚式場で幸せ配達人として仕事中(画像:貞松和彦)

白馬が街中を歩ける理由

馬は本来、臆病な動物と言われる。

「人混みとか騒音とか、傘とか風船とか、馬がびっくりするようなことしかないの。歓声が上がったり」

結婚式場はとくに危険だ。バルーンが飛び、ドローンが舞い、歓声が上がる。馬にとっては恐怖の対象だらけ。暴走すれば、死亡事故につながりかねない。

では、なぜ貞松さんの馬は街中を悠然と歩けるのか。

「馬をさまざまな刺激に慣らす調教を『馴致(じゅんち)』って言うんですけど、それが僕めちゃくちゃ得意で。みんな知ってるんですよ、日本のプロたちは」

貞松さんの馴致は、一般的なものとは異なる。

「普通はびっくりしたら本能で走って行っちゃう。けど、うちの馬たちはびっくりしたら止まるように教えてるから、無事故でやってる」

びっくりしたら、走るのではなく、止まる。この逆転の発想が、20年間無事故の秘密だ。


相棒のシュガーベル。ペルシュロン、純白の牝馬。体重は1トンを超える(画像:筆者撮影)

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【難しいのは能力を維持させること】

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