SNSには「馬を使ってお金を稼いで」「かわいそう」という声も届く。
「野生の馬に蹄鉄はついていない」「寒いのに毛を刈ってかわいそう」
貞松さんは、蹄鉄をつける理由、毛を刈る理由を一つひとつ丁寧に説明する。でも最終的には、こう話す。
「稼げなかったら馬に餌やれないし、逆に食肉になる。うちの馬、見てもらったらわかる。ブリブリでピカピカだから」
貞松さんにとって馬は「かわいそうな存在」ではない。共に働き、共に食べていくパートナーだ。
「助けているだけじゃなくて、助けられているから僕が。お互いさまなんだよね」
命をつないできた
貞松さんは、長年SNSに馬との日常を投稿してきた。食肉市場に白い馬を探しに行った、いなかった、また行った、見つけた、連れて帰ってきた——馬と生きる日常を、特別なこととは思わずに綴っていた。
その投稿を見ていたラジオパーソナリティが、貞松さんの活動に注目した。貞松さんが連れて帰った白馬に起きた出来事は、「奇跡の馬」として反響を呼んだ。そして、絵本『サダさんと白い馬』になった。2025年8月のことだ。
本の制作にはノータッチだった貞松さんは、完成した絵本を見せられた時、それまでに経験したことのない感覚を味わったという。
「初めて客観的に自分がやっていることを見て、『生命を救うことにつながっていたんだな』と涙が出た」
ただ好きでやってきた。かわいそうだから助けるとか、社会貢献とか、考えたことはなかった。絵本という形で自分の歩みを見た時、初めて気づいた。自分は命をつないできたのだと。


















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