「かわいそう」と言われても…肉になる運命だった白馬が20年無事故で繁華街を歩く訳—プロが明かす"馬を仕事にする"現実と覚悟

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここでもやはり馬の話になる。うれしそうに語る貞松さんを見て、雲仙の教会で馬車を引く白馬を目にした時の貞松少年の姿を重ねた。

リボンで着飾った白馬とサンタの貞松さん
リボンで着飾った白馬とサンタの貞松さん(画像:貞松和彦)

バズっても変わらない

TikTokでバズり、地元のテレビでも特集が組まれた。結婚式の馬車をライブ配信すると、2万人が見る。「映しているのは馬のお尻だけなのに」とにっこり笑う。貞松さんのSNSを見て結婚式を申し込むひとも増え、式場からも喜ばれているという。

「白馬に乗ったおじさま」の知名度は、じわじわと広がっている。本人に変化はあったのだろうか。

「何も変わらない。スーパーで声かけられるくらい。山のなかの小さい牧場のおっさんだもん」

どこまでも飾らず気さくだ。取材依頼が来た時も、「何かの間違いじゃないか」と思ったという。実際、電話をかけた時の第一声は「え?記事にするようなことはないよ」だった。

貞松さんは変わらない。しかし、状況は変わった。

全国からファンが牧場を訪れるようになった。北海道から沖縄まで、シュガーベルに会いに来るひとがいる。「生牧草バンク」を通じて牧草が届くようにもなった。引退馬や功労馬などを対象に、支援者が届け先の馬を選び、生牧草を贈れる支援サービスだ。

「好きなことやっていると、周りのひとがいろいろ協力してくれる」

牧草バンクから届いた生牧草を食べるシュガーベル
生牧草バンクから届いた生牧草を食べるシュガーベル(画像:筆者撮影)

生牧草
段ボール箱に入って届く生牧草(画像:筆者撮影)

BBQオタクだと語る貞松さんの誕生日BBQには、ダンサー、シンガー、建築関係、さまざまな業界から120人が集まる。「知らないひとなのに3回目のひともいる」と笑う。あまりに増えすぎたので昨年から招待制にしたそうだ。

次ページ「飽きない。ぜんっぜん、飽きない」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事