ここまで、平均的な年収と住宅コストを見てきたが、自分の年収に合った立地選定をすればよいことは確かだ。そうだとすると、家賃も物件価格も上昇している中、それ以上に自分の年収が上がらないと、郊外に追いやられていくことになる。
東京商工会議所の調査によると、2025年度の中小企業の賃上げ率は4.03%となっている。これに対して、家賃は年率3%、物件価格は8%上昇なので、さらに年収を上げるか、不動産価格の上昇を抑えないと、可処分所得は減っていくだけだ。
東京都内の「2人以上の世帯」において、世帯所得1000万円以上の割合は約3割ある(令和4年就業構造基本調査)。これは全国平均(約16%)を大きく上回っているが、これほどでも新築分譲マンションは都区部では買えない可能性が高い。
都区部での新築マンションを買うのに必要な年収
2025年の東京都区部の新築分譲マンション平均価格は1億3613万円で、年収の13倍では住宅ローンの審査が通りそうにない。現状の金利水準では年収の8〜10倍が限界である。この平均価格では年収の上位10%に入らなければ、都区部での新築マンションの夢はかなわないだろう。
また、年齢に応じて年収が上がる傾向が強い日本では、高年収になるには経験を積めばよいが、その分、年数がかかる。年数を要している間に物件価格も上がってしまう。このため、若いうちの住宅戦略として、独身でも持ち家購入を検討するという考え方が出てくる。
この際、面積が小さくても持ち家の購入を検討する価値がある。40㎡以上であれば自宅購入と認識され、住宅ローン控除の対象になる。このため、売却時に次の自宅購入目的の買い手がつきやすく、資産価値が落ちにくくなる。
これまでも40㎡以上であれば、ファミリータイプほどではないにせよ一定の資産性はあったが、2026年の税制改正で「40㎡以上の住宅ローン控除対象者は年収1000万円以下」という条件が緩和された。この変更により、今まで以上の資産上昇が期待される。
資産インフレが急ピッチで進む中、東京に住んでいられるかを考えるだけでなく、家が買えなくなる未来が近いことも視野に入れて、住まい選びを考える必要がある。そのためには、独身でも家を買っておくのも選択肢の1つだ。
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