一方で、2017年に、勢いは臨界点を迎える。マッチングアプリの浸透や、模倣店が乱立したあおりを受け、相席屋は徐々に規模を縮小していく。
セクションエイトとしても、スタンディングバー『The Public Stand』や、ソロ活専門の相席業態『THE SINGLE』など別ブランドに注力するようになり、相席屋に回すリソースは減っていく。
結果的に、相席屋は2019年には60店舗前後まで減り、コロナ禍でさらに30店舗近い閉業を迫られた。コロナが沈静化して以降も、エリアによっては、業績はそれ以前の8割程度にとどまる。他ブランドへの業態転換も進み、現在7店舗となった。
「創業直後から2017年頃まで、相席屋はすこぶる勢いが良かった。コンセプトを真似た類似店が跋扈(ばっこ)したことで、商標の無断使用に対して、頻繁に注意喚起を出していたほど、当時は相席屋が繁盛していたんです。
それがコロナ禍などを経て、有象無象にあった模倣店も淘汰され、いま相席業態を軸に展開しているのは当社含め数社しか残っていない。10年足らずで業界が一周した感覚です」(太田氏)
ふらっと居酒屋を訪れて、初対面の異性と飲食を満喫できる――。展開当初は新鮮だった体験も、数年が経ち競合店が増えれば、鮮度が失われていく。
前述したように、マッチングアプリの台頭により、事前にアプリで吟味したいニーズが高まる。後押しするように、相席屋のメイン層である20代が、コロナ禍で合コンなど対面での恋愛経験をしないまま、「出会い=アプリ」が主流となったことも痛手だった。
客単価は6000~7000円
しかし、実際に店舗を訪れてみると、また違った角度から衰退した背景が浮かび上がってきた。
2025年12月末、『相席屋 新宿歌舞伎町店』に来訪すると、65席の店内はほぼ埋まっていた。年の瀬はあるだろうが、スタッフがインカムで指示を出しながら忙しなく動き、ブームが沈静したとは思えないほどの盛況ぶりだ。
来店時は休日扱いで割高だったこともあり、料金はチャージ税込605円に、10分ごとに税込825円が加算され、時間内は食べ飲み放題が付く(女性客は時間制限なしで無料)。店舗や曜日によって料金は若干変動するが、男性客は90分ほどの滞在が主流で、計算すると6000~7000円ほどが予算の目安となるようだ。


















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