今年の正月、会社が潰れるんじゃないかと不安感に襲われました--森正文・一休社長(第5回)

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ちょうどそのあと1月10日に柳井さんとゴルフに行ったのですが、柳井さんにそのことを話し、「ネガティブスパイラルからどう脱却すればいいか」と聞きました。するとこんなアドバイスが返ってきました。「難しいけど、自分はまず自分の頭で考えて自信があるかないかなどを考えるのはやめ、事前に打てる方策はすべて打ち、考えれば解決できることだけ集中して考えることにした」と。難しいですよね(笑)。

--経営者は悲観業ですよね。

偉大な経営者はみんなスーパーネガティブですよ。海外に出て行く経営者も、この国はどうなっていくんだという恐怖があるからですよね。自分も性格は明るくてチャラチャラしたところがありますが、決して楽観できません。

実は、根はネガティブで堅いんですよ。やっぱり本質は生保系の性格なのかな(笑)。社員もそのあたりをわかっています。年頭のあいさつで「今年は少しでも伸びればいいな」と言ったんですけど、「森さんのあいさつ、暗い」と社員に言われました(笑)。


もり・まさぶみ
 1962年東京都生まれ。上智大学法学部卒業後、日本生命に入社。運用部門に所属。98年5月日本生命を退社。同年7月株式会社一休を設立し、代表取締役社長に就任。2000年に立ち上げた高級ホテル・高級旅館宿泊予約サイト「一休.com」は、263万人(2012年3月末時点)にまで成長。(撮影:梅谷秀司)

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