今年の正月、会社が潰れるんじゃないかと不安感に襲われました--森正文・一休社長(第5回)

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今年の正月、会社が潰れるんじゃないかと不安感に襲われました--森正文・一休社長(第5回)

--イトーヨーカ堂を創業した伊藤雅俊氏と親しくされているそうですね。出会いについてお聞かせください。

伊藤さんは、出張先のホテルの人から「今度すごく面白い成長企業が上場する」という話を聞き、1株買ってみてどんな経営者か会ってみたいと思ったそうです。二十数年ぶりにIPO前の株を野村総研に頼んで買ったとおっしゃっていました。そんなわけで初めてお会いしたのは2005年の7月末。上場の1週間前です。

いろいろなお話をさせていただいたあと、「君の会社は絶対倒産しない。自分はいろいろな上場企業の社長や上場前の社長とたくさん会ってきたけど、君は一言も『俺が頑張った』『上場後に金持ちになれる』と言わなかった。『社員など多くの人のおかげだ』と言ったから大丈夫だよ」とおっしゃってくださいました。話をしながらテストしてたのか、と思ってびっくりしましたが(笑)。

こんなアドバイスもいただきました。「大衆的なものが生き残るためには最後は資本力が勝負となるので、高級なところはなかなか攻め込みにくい。うちみたいに大衆的なものを扱ってる側から見ると、高級なものを扱っていることは実にうらやましい。高級なものとネットを押さえたんだから、そこから出ない限りは大丈夫。あと、上場しても成長成長と言ってくる株屋に踊らされるんじゃないよ」と。今でも僕の教訓となっています。

最後に伊藤さんは、「友達になろう。その証しに日本でいちばんいい店に招待しよう」とおっしゃってくださり、吉兆に連れて行ってくださいました。以来、半年に1度2人で食事に行っています。

--いつも伊藤さんとどんなお話をされるんですか。

伊藤さんは貪欲にネットで何が起きているかということを聞いてきます。実際、セブン&アイ・ホールディングスではネット戦略が伸びていますよね。でも、伊藤さんはビジネスに関して大変厳しい方です。

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