「壊すしかない」と言われ続けた"岩に抱きつく廃墟"、大逆転の再生物語。廃墟好きが「栃木のマヤカン」と呼んだ施設は今

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カフェスペース
正面の窓は生かし、左右の窓は以前より減らしてある(写真:大谷グランド・センター)
バルコニー
バルコニー。岩石好き(!)には楽しい席(写真:大谷グランド・センター)

25年12月いっぱいはプレオープンで、正式なオープンは26年1月5日から。にもかかわらず、ニュースなどで報じられたからか、12月半ばの取材時には館内には海外からの人も含めて来訪者が集まっており、プレオープン翌週には1日150人ほどが来たとか。

地域にどれだけインパクトを与えられるか

グランド・センターは所有者が購入した4haという広大な敷地の中の最初の施設であり、ここの成否が全体計画の進展のカギを握る。

周辺には大谷石採石場跡地に作られたアートインスタレーションとしてのサウナなど変わった施設も生まれ始めており、地域には予兆が感じられる。あとはグランド・センターがどれだけインパクトを与えられるか。

「点を打つなら強さ、濃さは大事だと思っています。ぬるい点、どこかで見たような点でなく、異物感のある、強烈で、でもその土地に寄り添った点。そうした点から物事が動いていく、そう思っています」(和泉さん)

屋上からの風景
屋上からの風景。あちこちに採石の後とみられる壁があり、他にはない風景(写真:筆者撮影)

和泉さんが打ったこのまちの歴史を込めた点がどこまで地域に、社会に響くか。皆さまにもぜひ、その「強さ」を見に行っていただきたいもの。大谷石は日本中でよく見る石ながら、大谷のごく狭いエリアでしか産出されない希少さも併せ持つ。

そのせいか、大谷は近づくにつれ、ここには何か、不思議な力が働いていると感じられる場である。来訪は良い経験になるはずだ。

周辺の風景
宇都宮駅から大谷へ向かうにつれ、大谷石造の蔵、建物などが増えてくる。不思議な形の岩なども点在(写真:筆者撮影)
【写真】記事で使っていない写真も多数! 改修前の「荒れた」様子と、改修後の変化を写真で見る(27枚)
中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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