工事としては外壁の補修、最初に建てられた建物の除却、その他減築やそれに合わせて外壁の新設など。
あちこちに手は入っているが、一方で建物内の階段、手すりその他はほとんどそのまま使われている。そのため、新しくはなっているものの、同時に歴史も感じる建物として再生されており、そのバランスが心地よい。
難航した金融機関との交渉
行政との交渉以上に大変だったのは銀行とのやりとり。現在のグランド・センターはアートスペースとカフェ、レストランからなる複合施設だが、当初はアーティストの活動拠点として賃貸するつもりだった。
「所有者が印刷というコミュニケーションカルチャーの一翼を担ってきた事業者ですから、この建物に文化をどう入れていくかは最初からのテーマ。
その具体策としてアーティストの活動拠点を賃貸することを考えていたのですが、金融機関から賃借料の前例を挙げることを求められて行き詰まりました」(和泉さん)
都心の賃貸物件が多い地域であれば周辺相場を数字で出すことはできるが、地方で物件のない地域ではそもそも相場自体が存在しない。
さらにアトリエなどの創作拠点は都心でも事例がほとんどなく、地方であればなおさら。そこでこの地域で同種の貸し方をした場合の賃料を前例として出すのは無理だ。相場も、物件もまだ、そこにはないのだ。


















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