「壊すしかない」と言われ続けた"岩に抱きつく廃墟"、大逆転の再生物語。廃墟好きが「栃木のマヤカン」と呼んだ施設は今

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特に1階の大谷石がごつごつと目立つ浴場跡を利用した大空間ではYOSHIROTTENが大谷のフィールドリサーチを重ねて収集した素材を組み合わせた映像、音が展開されており、空間全体で大谷を感じることができる。

元浴室
元浴室。壁を取り払い、浴槽はそのままで使われている(写真:筆者撮影)
元浴室
流れているのは大谷でYOSHIROTTENが収集してきた風物、音(写真:筆者撮影)
元浴室
タイルなどはほぼきれいに残っている(写真:筆者撮影)

アートに関連した施設を作るとなると地元とは無縁の現代アートを持ってきがちだが、和泉さんはそれよりも地元のものをと考えた。

地域の音や風景が織り込まれているのが感じられるのか、訪れた地元の人たちにも喜ばれているとか。来訪者だけでなく、地域の人にもこの地のポテンシャルを感じられる場になっているのである。

有名シェフがタッグを組むカフェを併設

大きな窓から大谷石の巨塊が威容を見せる2階にはカフェが配されている。

イタリアでの修業後、都内代々木八幡の「LIFE」に始まり、参宮橋、湘南T-SITEに店を出しているオーナーシェフ・相場正一郎さん。そしてスイーツの世界大会に日本代表のチームキャプテンとして参加、日本チームを優勝に導いた「MAISON GIVRÉE」オーナーパティシエ・江森宏之さん。

栃木県出身の2人のシェフがタッグを組む店で、この地らしい一皿がサーブされる。グルメには楽しみでしかないだろう。

カフェフロア
カフェフロアを入り口から。天井の高い広々とした空間だ(写真:筆者撮影)

敷地内の展望テラス、屋上からは周囲にある大谷石の塊が地中から突き出したようなこの土地ならではの地形や大谷観音などが望めるようになっており、これらも見もの。地元にない風物が見られるだけでも旅に来た気分になれるのは不思議だ。

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