〈推し活〉LINEヤフー川邊会長を覚醒させたモーニング娘。の「人事と組織の物語」/はまったことで深まったコンテンツビジネスへの理解

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――国民的人気を博した「黄金期」の後、メディア露出は減ったもののライブパフォーマンスを追求する時期を経た頃の曲ですね。その後、再ブレークを果たします。

変化の過程で何があったのだろうと調べました。そうするとビジネス的な浮き沈みの中、道重さゆみさん(8代目リーダー。25年に芸能界引退)がリーダーシップを発揮して「中興の祖」になったことを知った。

優れたリーダーに必要なのは、まずビジョンを示すこと。抽象的な言葉ではなく「そうなった暁の姿」を具体的に言語化できることです。「全盛期は一度だけとは限らない」「もっと大きな会場の景色を後輩に見せたい」といった道重さんの言葉は、経営者が語るビジョンと何も変わりません。

モーニング娘。
道重さゆみさん(中央)はモーニング娘。に6期メンバーとして03年に加入、12~14年までリーダーを務めて卒業した。写真は14年の秋ツアー時(写真:Getty Images) 

さらに道重さんはリーダーになった後、「グループが輝くための動き」へシフトした。自分が前に出るのではなく、若いメンバーの後方支援に回った。自分を変えられるリーダーだけが組織を変えられる。組織を変えられるから成果が出る。この因果関係は事業でもまったく同じです。

僕はモーニング娘。を「若い子たちが青春を燃焼させる『人事と組織』の物語」と解釈しています。

解釈は経験からトレースされる

――川邊さんは大学生で起業しているので、若い時から人事と組織について考えてきたはず。30歳の頃にそのような解釈ができたと思いますか。

それはないですね。これまでの経験からトレースされることがあるので、今のような解釈になっている。他方で、当時のモーニング娘。のすごい勢いとネットベンチャーを立ち上げていっている自分たちとをシンクロさせて楽しむということもありえたのでは。

――推し活は具体的にどのようなことを?

グループを知り、楽曲を聴き、ライブに行く。そこでできる「推し活友達」みたいな人たちと交流する。極めてオーソドックスなことをやっています。

自分にオリジナリティがあるとするならば、見聞きしたものを一定程度、ビジネスやリーダーシップ、マネジメント、あるいは社会構造みたいなものに捉え直して、X上で論じていることですね。僕的にはそれも推し活の一環なんです。

川邊健太郎氏
かわべ・けんたろう 1974年生まれ。青山学院大学法学部卒業。大学3年だった95年に仲間とスタートアップ「電脳隊」を起業。2000年にヤフーへ売却するとともにヤフー入社、18年に同社社長に。21年にZホールディングス社長、23年4月から会長。グループ再編に伴い、同年10月からLINEヤフー会長。26年6月退任予定(撮影:尾形文繁)
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