まずは、ボロボロになった自分の体を何とかしようと、海外の書籍を読んだり、体の専門家に話を聞いたり。アスリートの友人がリハビリに使っていたバランスボールの存在を知って、それを取り入れたエクササイズを考えて実践したりしていました。
産後の女性は、育児に全力をかけてしまいがちです。その前に自分の体をリカバーすることがどれほど大事かを切実に感じました。
体と心に関わる仕事をしたい
――吉岡さんのキャリアの原点を聞かせてください。
子どもの頃は活発で、体を動かすのが好きだったのに、思春期に体を動かすことが重たく感じて、気持ちも閉じこもりがちになったんです。でも、大学に進学してからダンスに出会ったことで、また楽しくなって。心身の連動を取り戻した感覚がありました。そこが原点かなと。
――東京大学では文学部に在籍。大学院では運動生理学を学んでいます。
大学では、柴田元幸先生や佐藤良明先生の授業で、さまざまなアメリカ文学を学ぶ機会がありました。とりわけ60~70年代のヒッピームーブメントに魅力を感じて、心身はつながっているとする東洋思想に興味がわくようになって。「心身一如(しんしんいちにょ)という思想」を学ぶうちに、将来は体と心に関わる仕事をしたいと考え始めたんです。
当初は、研究者になりたいと思っていました。でも、次第に「研究のための研究」に気持ちが乗らなくなっていって……。論文を書けば、社会は変わるのだろうかと。
――当時から社会を変えることに、心が向いていたんですね。
外に出て人に出会いたい。自分のやっていることに目的を持ちたい。モヤモヤしていた時期に私を救ってくれたのも、ダンスやエクササイズといった体を使うこと。体を動かすことで、自分の深いところにつながれる。そんな体験をしました。
「こんなに、呼吸が浅かったんだ」「こんなにも、首回りに滞りがあるんだ」など、体を動かして初めて気づくことがある。体が変わると、人生の見え方が変わる。そんな実感が産後ケアのベースになっています。
――妊娠・出産されたのは、大学院に在学中でした。
ギリシャで行われた「オリンピックスタディ合宿」に参加した際、現地で出会った男性と恋に落ち、結婚しようと考えて息子を授かりました。


















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