「産後ケア」を日本に広めた彼女が経験した"痛み"――「出産は全治1カ月のケガと同様」産後の当たり前を変えた吉岡マコさんの生き方

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今回は吉岡マコさん(認定NPO法人マドレボニータ創設者/NPO法人シングルマザーズシスターフッド代表理事/Ashokaフェロー)に話を聞きました(撮影:梅谷秀司)
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人生は、一度咲いて終わりではない。経験を重ねるほどに、何度でも花を咲かせ直す人がいる――。コラムニスト芳麗さんがひもとく新しい時代の人物伝。
今回の主人公は、認定NPO法人「マドレボニータ」創設者の吉岡マコさん(53)。日本に「産後ケア」という言葉が浸透していなかった時代に、産後ケアメソッドを確立。 インストラクターを養成し、全国へ活動拠点を広げてきた。
だが、その出発点は個人の痛みだった。産後の心身の変化、シングルマザーとしての働きづらさ……。前編では、吉岡さんの人生をたどりながら、産後ケアが人生に与える影響とマドレボニータの設立と成長までを聞いた。
後編:役割を手放した50代彼女の「新しい人生の始め方」

産後の体に違和感

――吉岡さんは「産後ケア」を日本に浸透させてきた立役者です。今では多くの自治体が産後ケア事業を行っていますが、当時は、その言葉自体が知られていませんでした。

当時、日本には母子健康手帳の公布や乳幼児の健診を受けることなどを定めた母子保健法はありましたが、「産後の体や心はケアすべきもの」という発想が、社会に存在していませんでした。「産んでからは、あとは母親が頑張るもの」という風潮でした。

――そこに違和感を持たれた?

出産したときに実感しました。事前にありとあらゆる知識を仕入れて準備していたのに、それでも、出産後に体のダメージの大きさに驚きました。なぜ、これを事前に教えておいてくれないのか、と。

「出産は全治1カ月のケガと同様」といわれますが、当時は、産後の心身ケアの情報が日本中を探してもなかった。海外でやっと1~2冊、本を見つけたくらいです。

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