C型肝炎を患い、4年間闘病。これが起業のきっかけです--森正文・一休社長(第2回)

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ところが、会社をつくったはいいが、事業内容が定まらず仕事がない時期が半年くらい続きました。高級ハンバーガー屋でもできないかななど、何をやるか悩んでいたその時期がいちばん苦しかったですね。

当時の社員は僕と、日生出身のおばさんの2人だけ。彼女は日生を早期退職したのですが、「趣味の歌舞伎観賞も飽きたから」と僕の会社を手伝ってくれることになったんです。
 
 ところがそのうち、彼女は始業が9時のはずなのに15時前に出社するようになった。僕が怒ると彼女はこう言いました。「銀行に行けばいいだけの仕事。売り上げゼロではほかにやることがない。銀行が閉まる前のこの時間に来れば間に合う」と(笑)。ごもっともです。

さらに彼女はある日、「百貨店のトイレ掃除の求人があるので、私これやります」と言い出しました。「年金もあるし生活に困っているわけではないのに、何で?」と聞くと、「私が行けば売り上げが立つでしょう。せっかく会社を起こしたんだから好きなことをやってみなさい」と言うんです。
 
 感動しました。この彼女の一言が最大の転機かもしれません。これを機に頭で考えるのをやめ、オークションサイトを思いついたんです。早速、資本金として、日生の上司や同僚40人から1人100万~200万円を集めました。

--皆さん、よく出資してくれましたね。

断らないだろうと思う人を選んでお願いをしましたし、「一生分の宝くじを売ってやる」と強気で口説きました。でも、後から聞くとみんな「自殺されたら困る」と思って出してくれたみたいです。中には、結婚したばかりで奥さんに内緒で秘密口座から出資してくれた人もいましたが、いまだに奥さんには一休の株主であることは言ってないらしいですよ(笑)。

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