物価高が追い風に?——激安中国発EC「Temu」でブランド米や和牛が売れているリアル。安さにつられて買いまくったら「まさか」の展開に驚いた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

Temuを眺めていると、ブランドを偽装した問題商品も目に入った。LOEWE(ロエベ)のロゴ入り台紙に載せられた赤いスカーフ。商品名にブランド名の記載はないが、定価35万円超の商品が「99%オフ、618円」と表示されていた。

偽ロエベの出品画面
有名高級ブランドを模倣した商品の出品画面(現在は削除済み)(画像:筆者撮影)

TemuはAIによる検知などで「5000以上のブランドを対象に能動的な監視を行っている」と説明するが、日々膨大な点数が新規販売されているため、監視をすり抜ける商品も少なくないのだろう。

模倣品は専用窓口に通報すると3営業日以内に審査・削除されるとのことで、筆者が見つけた偽LOEWEスカーフも数日で消えた。

「日本製品安全誓約」に署名

Temuは1月30日、リコール製品や危険な製品から消費者を守る官民の取り組み「日本製品安全誓約」に署名した。アマゾンや楽天、メルカリなどに続き、9社目となる。

Temuの親会社が中国で運営する拼多多は15年にサービスを開始し、地方都市や農村の中高年を主なターゲットに急成長した。中国は当時、「消費のアップグレード」をスローガンに、高級品が飛ぶように売れていた時期で、粗悪品や模倣品も多かった拼多多は「安かろう悪かろう」と嘲笑される存在だった。

しかしいつの間にかiPhone(の本物)などを他のECプラットフォームより安値で売るようになり、後発ながらユーザー数は8億~9億人規模に達し、アリババ、JD.com(京東商城)の二強体制に風穴を開けた。経済が成長し、物価が上昇しているときは、成長に取り残されている層も多くいることを、拼多多は示したのである。

Temuの日本でのユーザー層は中高年の女性が多いことが、複数の調査から明らかになっている。これも、同社が食品販売事業者の誘致に力を入れる理由とみられる。物価高が社会問題となっている今の日本は、Temuにとって千載一遇のチャンスなのかもしれない。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆・分析、情報発信の助言など。

未婚で出産。42歳で初婚。子どもの独立を機に世界一周後、日本とベトナムで二拠点居住。

近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。

「東洋経済オンラインアワード」で2020年にニューウェーブ賞

X: https://twitter.com/sanadi37

公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

インスタグラム:https://www.instagram.com/sanadi37/

note: https://note.com/sanadi37

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事