物価高が追い風に?——激安中国発EC「Temu」でブランド米や和牛が売れているリアル。安さにつられて買いまくったら「まさか」の展開に驚いた

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出店のきっかけはTemuからの営業だった。当時、Temuでお米を販売する事業者がおらず、チャンスだと即決した。

「社内では『怪しいサイトではないか』という声もありましたが、知名度が高くプロモーション力もありそうなのが魅力に感じました」

出店者側から見たTemuの強みとは?

野田社長によると、出店者側から見たTemuの強みは大きく2つある。

1つ目は、高精度なアルゴリズムによる商品推薦。

「楽天市場など既存ECは、ユーザーが自ら商品を探す“選択型”ですが、商品が多すぎて選択疲れを起こしがちです。成熟した結果、商品の同質化も進んでいるため、価格競争に陥りやすい」

2つ目は、出店者が販促に労力を割かず、品ぞろえに集中できる点だ。

ユーザー側から見ると、同じ事業者の同じ商品を比較した場合にTemuが最安値であることが多いが、値引きの原資は基本的にTemuが負担しており、出店者が身を削っているわけではないという。

物価高を追い風に、Temuの日本での利用者数は急拡大している。

市場調査会社ニールセンが発表した25年の日本のインターネットサービス利用者数ランキングで、Temuは月間利用者数(MAU)5721万人で8位となった。

24年5月時点の3106万人から約1.8倍に増え、楽天(7215万人)、アマゾン(6804万人)を猛追している。

「Tops of 2025: Digital in Japan」
(画像:ニールセン デジタル「Tops of 2025: Digital in Japan」プレスリリースより)

調査会社イプソスがTemu利用者2000人を対象に25年6月に実施した調査では、支出を減らすために「セールやクーポンを活用」「より安い商品を探すようになった」と答えた人が5割近くに達した。

Temuはサービス開始から日が浅く、ユーザー開拓のための投資を惜しまない。今後の伸びしろに期待し、日本では毎月約1000社が出店申請をしているという。

国内出店者のジャンルは家電、家具、電動自転車、園芸用品など多岐にわたるが、生鮮食品や農産品は中国の出品者と競合しにくく、Temuの割引施策と相性が良いため、日本の出店者がメリットを感じやすい分野のようだ。

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