50代女子がペニンシュラで知る「欲望の賞味期限」――一世を風靡した"買物の女王"と"元ギャル"との再会で感じた「諸行無常」

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スコーンはたまに食べますが、結構当たりはずれがあります。はずれの場合、パサパサして口の中が乾いていきますが、これは大当たりです。香ばしく、クロテッドクリームをつけて口に入れると、いくらでも食べたくなります。

皆でスコーンのおいしさを讃え合いながら、まずは涼美さんが近況を語りました。

「最近は子育てが楽しくて」

結婚前とは違い、爪も伸ばせなくなったと笑っていました。

「でもこの前、作家のパーティーで◯◯さんに会ったら、めちゃくちゃ爪を長くしていて。ちょっと前の私なら負けなかったのにって悔しかった」

見ると、ギリギリまで短くしている私より、涼美さんの爪は今でもだいぶ長く、マニュキアもきれいに塗られています。でも確かに、以前はもっとずっと長くてきらびやかでした。

オシャレも恋愛も興味ない

「あー、そういうの、わかる。負けたくないよね」

うさぎさんが言いました。うさぎさんは昔、全身ブランドものに身を固め、借金してでもオシャレ道を貫く「ショッピングの女王」として名を馳せた人です。最近は、「もうオシャレも恋愛も興味なくなった」と、すっかり落ち着いてしまいました。

「近頃はね、食べることだけだよ、楽しみは。おいしいものを食べるために、いろんなところに行ってる」

先日も大分に行き、「今まで食べてきたフグの概念を変えた!」と感動のフグ体験をしてきたそうです。

「食べ物は奥が深いよ。この年齢でもまだ、新しい発見がある」

ホストにブランドものに、あれほど刺激を好んでヒリヒリした毎日を送っていたうさぎさんが、食べ歩きを趣味にする日がくるとは予想したこともありませんでした。

うさぎさんとは25年ほどの長い付き合いになります。お互いのことをよく話し、よく知っていますが、やっぱり人間は同じところでとどまっていないのだなと感じることが増えてきました。

スコーンを食べ終える前に、いくつものかわいいセイボリー(塩気のある料理)やスイーツが乗せられたスタンドが運ばれてきました。これこれ。これを堪能しに来たんです。

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