「決算」と「天体の運行」に関係がある!?当たり前すぎる前提を疑ってみたら、誰も気づかなかった宇宙ビジネスの意外な課題までたどりついた

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 1年が地球の公転周期、1日が地球の自転周期で決まっていることは、あまりにも当たり前すぎて、会計の教科書に1行たりとも書いてありません

しかし会計の本質を理解し、より根本的かつ普遍的なルールを模索しようとするならば、これは重要なポイントです。

人類はこれから本格的に宇宙に進出していこうとしています。そうなると、いずれ地球の会計基準が広い宇宙におけるローカル・ルールになってしまうかもしれません。

火星の「1年」は何か月に区切られる?

では、もしグローバル企業の 「火星支社」ができたとしたら、その決算日はいつになるでしょうか。ここまで読み進めてきた皆さんなら、まず「火星の公転と自転の周期はどれくらいなんだ?」ということが知りたくなるでしょう。

会計は、まずそこから始めなければいけません。

火星の自転周期は、地球よりちょっと長い24時間37分(約1.026日)です。

少しのズレではありますが、1日37分の差でも積み重なれば無視できません。200日後には7400分(約123時間)、つまり5日ほどズレてしまいます。

火星支社の時間単位を本社に合わせるのは容易ではなさそうです。

また、火星の公転周期は約687日(約1年11か月)です。「1年」が地球の2倍近い長さになりますから、これも本社と合わせるのは難しい。

もちろん決算は本社と連結されますから、火星支社としては地球時間で会計をやらざるを得ないかもしれません

しかし火星に長期滞在する従業員にとって、これはかなりのストレスになるのではないでしょうか。時間単位が混乱すると、業務にも多くの支障が出るはずです。

したがって、たとえ支社であっても、会計の独立性が高くなる可能性があります。

火星支社は火星で約687日に1度の「年次決算」を行ない、それを本社の会計と連結するための計算ルールなどを新たに考案する必要が出てくるでしょう。

いちばん厄介なのは、火星の1年を何か月に区切るかです。

なにしろ火星にはフォボスとダイモスという2つの衛星があります。月という衛星の運行で12か月に区切っている地球とはまったく違うやり方で、約687日の1年をいくつかに区切ることになるわけです。

地球の「月給」や「週給」とは異なる賃金支払いサイクルをどう決めるのか、いまから考えておいたほうがよいかもしれません。

ちなみに地球と火星の距離は、平均で約2億2500万キロメートル。もっとも接近するときは約5500万キロメートル、もっとも離れるときは約4億キロメートルです。

現在のロケット技術だと6〜9か月かかりますから、もちろん行くだけでも大変なのですが、距離による問題はそれだけではありません。

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