コスパ・タイパは育児に不要な"セコい価値観" 。子どもにはかすり傷を作る機会を与え、転ぶ練習をさせよう

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窪田:いいですね。みんな岩田さんのうちの子どもになりたいと思うんじゃないですか(笑)。

岩田:ただ、参加してくれるほかの子どものお母さん方に「ケガでもしたらどうするの?」と言われたこともありました。もちろん私もできる限り気をつけますが、その可能性が絶対にないとは言えません。我が子にとってはかすり傷を作るいい機会だと考えていたぐらいなので、何よりもまずリスクを並べるような言い方をされて、こちらもドキッとするというのはありました。

窪田:そこは親のマインドセットを変える必要がありますね。まったく無傷で成人まで育てることが正しいと思い込んでしまっている人もいますが、リスクに対処できない大人になったら、極論を言えば親の手を離れた瞬間に死んでしまうことだってありえます。

子どものうちにかすり傷をたくさん負わせておいたほうが、かえって子どものためになるということがもっと理解されるといいですよね。

親が先回りしすぎないのが大事

岩田:本当にそのとおりで、うまく転んだり自分で立ち上がってやり直したりする練習をしておかないと、大人になってから大ケガしてしまうことになると思います。失敗こそが成長の機会なので、その機会を奪わないでほしいのです。

親だったら、子どもには器の大きい人間になってほしい、豊かに生きていってほしいと願うはず。とにかく親御さんには「子どもの可能性の芽を摘まないで」と伝えています。

窪田:親が環境を整えすぎることは、子どもにとって一番よくないことだと思います。自分で考えない大人にさせてしまいますからね。どうやって不確実性への耐性をつけるか、その中でもベストな判断ができる力をどうやって伸ばすか。これこそが、子どもの人生において大事なことではないでしょうか。

岩田:そもそも、子育てに「コスバ」とか「タイパ」とかいったセコい価値観を持ち込むなと、声を大にして言いたいです(笑)。私は失敗やリスクも含めて子どもの成長を見守り、子育てを楽しめる大人を増やしていきたいと考えて活動しています。そういう大人がいなければ、日本の国力も落ちる一方だと思うんですよね。

(構成:鈴木絢子)

岩田 かおり 家庭教育コンサルタント、ママプロジェクトJapan代表

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いわた かおり / Kaori Iwata

幼児教室勤務、そろばん教室の運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」という想いから、独自の教育法を開発。「がんばらない子育て」を軸に、親の自己犠牲を手放しながらも子どもの自立・成長を加速させる教育方法を開発・提唱している。3児の母であり、その子どもたちは、中学生で起業、経団連の奨学生としてインドへ高校留学、学費全額奨学金で海外大学進学、塾なしで慶應義塾大学合格などといった実績を更新し続けている。近著に『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。著書に『「天才ノート」を始めよう!』(ダイヤモンド社)『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー)がある。

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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