「実家どうする?→民泊」の選択肢、自宅兼ゲストハウスにリノベ。二拠点生活で"帰りたくなる"まちづくりにも積極参加 山口県光市
2019年ごろから入退院を繰り返していた母親が他界。「相続の手続きを済ませ、山口の実家を今後どうするか話し合いましたが、兄弟はそれぞれ東京、神奈川、大阪と遠方に長く住んでいて今さら実家に戻るという選択肢も考えられず、将来的にも子どもたちに負担をかけたくないと実家の処遇には消極的で……」。可部さん自身もその当時はまだ実家に帰るつもりはなく、帰るとしても10年以上先。実家は売却しようかという話になっていたといいます。
しかし、「いざ売却という段階になると、なんだか自分のルーツを失ってしまうようで何か心に引っかかるものがあって……」と可部さん。「友人にも相談する中で出てきたのが、『リノベーションして民泊にしたら?』というアイデアでした」
折しもコロナ禍を乗り切り、「リモートワーク」や「ワーケーション」が広く受け入れられるようになった時期。可部さん自身も、母親の介護のために東京との行き来を続け、リモートワークで仕事を続けてきた経緯もありました。
さらに、「いざ久々に室積の街を歩いてみると、街のあちこちに新しいお店ができていたり、街を盛り上げようと頑張っている人に出会えたりして、『これは民泊需要があるかも』と感じました」
室積の街を元気にしようと奮闘する人たちとの出会い
室積は瀬戸内の穏やかな風景が広がる、御手洗湾に面した港町。海路貿易の拠点として、また、海路の安全を司る「普賢菩薩」を祀る普賢寺の門前町としても栄えた街です。街の中心となる「海商通り」には、江戸から明治にかけて栄えた豪商などの町屋がところどころに残り、そのうちのいくつかは近年、再生されて新たなお店になっています。
可部さんの背中を押したのは、そんな街の変化や、街を盛り上げようと奮闘する人たちとの出会いでした。
築170年以上の商家を改装した「室積市場ん」もその一つ。
運営しているのは同名の女性グループで、始まりはコロナ禍の2020年に遡ります。多くの店が営業を取りやめるなか、「平日に人が集まれるコミュニティをつくりたい」と始まったのが「火曜マルシェ」でした。マルシェに集まるのは、地元のお店の商品や目の前の海で取れた新鮮な魚、そして近隣から集まってくる人が持ち寄る雑貨やスイーツなど。会場となるいくつかの店舗からは、いつも楽し気な話声が聞こえてきます。

















