その後は、飲み会の帰りに白山ラーメンに寄るのが定番になった。一切言葉は交わさないが、顔馴染みも何人かできた。「いきつけのラーメン屋がある」というだけで、何だか千石が「自分の街」になってきた。これで本当に東京都民になれたなぁなんて思いながらラーメンを啜った。
千石の街の魅力をたくさん知っていった
それから僕は、千石という街の魅力をたくさん知っていった。
一人暮らしを始めた頃は、6年前と変わらず「静かな住宅街」という印象だった。小さな公園が点在しており、休みの日は家族連れで賑わう。静かで平和な街。
初めての一人暮らしを機に料理に挑戦しようと思っていた僕は、千石駅周辺にスーパーがないことを残念に思っていた。しかし引っ越してみて、巣鴨駅まで徒歩圏内であることを知った。周辺のことは何も調べずに引っ越したので嬉しい誤算だった。大きなカゴがついている自転車を買い、巣鴨駅前の西友でよく買い物をしていた。
また、これは嬉しくもあり悲しくもある誤算なのだが、道中の中山道沿いには数々の「食」の誘惑があった。吉野家、富士そば、ケンタッキーなどの王道チェーン店はもちろん、とにかくラーメン屋がたくさんあった。実家の周りには何もなかったのに、今はこんなにも店がある。すでに白山ラーメンの常連客になっていた僕は、当然のように誘惑に負けた。


















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