三井住友はインドネシアで550億円の減損

3メガ銀決算、アジア減速で急ブレーキ

下期以降については「アジアは案件ごとに取捨選択になる。いろんなマーケットの変動の影響を受けている地域があることを意識すると、ここで大幅に増加していくようなイメージはまったく持っていない」(三井住友の宮田社長)と、慎重にならざるをえない。

アジア向け貸出の伸び鈍化とともに、今後、懸念されるのが、与信コストの上昇だ。「格付けの高い企業への貸出が多いので、大きく毀損する可能性はいまのところ見ていない」と三菱UFJの平野社長は語る。しかし、その三菱UFJの海外与信費用は2015年9月中間期に292億円と前年同期比92億円も増えている。

三井住友とみずほの海外与信費用は不明だが、2015年9月中間期の海外貸出残高は三井住友が23兆円、みずほが219億㌦(約26兆円)。三菱UFJの42兆円に比べ少ないものの、三井住友とみずほも今後、海外与信費用の積み増しを迫られる可能性がある。

貸出依存型から手数料獲得へ戦略転換

非金利・手数料収入で稼ぐモデルを志向

このように、海外貸出ビジネスの収益性悪化が懸念される中、メガバンク各社が力を入れているのが、「貸出依存型からの脱却」(三菱UFJの平野社長)だ。三菱UFJは「貸出残高を増やすのが目的ではない」と方向性を明確にし、M&A仲介やデリバティブズ販売など手数料を得られるビジネスを強化している。

みずほも「貸し出しは入り口であって、非金利収入で稼ぐモデルをつくってきている」(佐藤康博社長)。貸し出しで取引を始めた非日系優良企業に対し、社債発行やM&Aなどを提案し、非金利、手数料による収入を増やしていく考えだ。

中国経済の減速は明らか。貸し出し依存から脱却し手数料ビジネスで稼ぐモデルへの転換は間に合うのか。国内も超低金利が続き収益成長力は弱い。メガバンクに残された時間は限られている。

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