ゆうちょ銀、限度額引き上げめぐる激しい攻防

頑なだった民間ライバルも徐々に軟化?

現在、ゆうちょ銀には1000万円までしか預けられない

11月にも上場するとみられる、ゆうちょ銀行の規制緩和をめぐる議論が、ヤマ場を迎えている。8月27日、郵政民営化委員会が開催され、ゆうちょ銀行の預入限度額引き上げなどについて議論を本格化させた。

現在、ゆうちょ銀行の貯金(通常貯金、定額貯金、定期貯金など。財形定額貯金などは除く)には、1人1000万円までしか預けられない。これを自民党は、この9月末までに2000万円、2年後までに3000万円へ引き上げ、条件が整えば完全に撤廃すべきと、6月26日に政府へ申し入れていた。政府は郵政民営化委員会へ審議を要請。委員会は議論を始め、7月14日から意見を広く募集した。

賛否が激しく対立、個人は賛成多数

それから1カ月以上が経ち、提出期限までに意見を提出した12団体と、日本郵政グループから直接意見を聞く場が委員会で設けられた。全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、信託協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、農林中央金庫など、既存の民間金融機関の団体は、いずれも限度額引き上げは「認められるべきではない」「当面棚上げすべき」「当面引き上げるべきではない」と、反対を表明した。

ゆうちょ銀行の貯金残高は177兆円で、預け入れ限度額のない民間銀行最大手・三菱東京UFJ銀行の124兆円をすでに大きく超えている。これ以上、ゆうちょ側におカネが流れるのは避けたいという思惑がある。

一方、全国郵便局長会や日本郵政グループ労働組合など、ゆうちょ銀行関係者は「利便性向上と高齢者など弱者の救済」「経営の自由度の確保」などの観点から、限度額の引き上げや早期撤廃が必要との意見を述べた。

7月14日~8月4日までの3週間で寄せられた意見の総数は1395件。うち個人が1345件、団体が50件だった。

この意見はすべて、郵政民営化委員会のホームページ上にアップされている。個人1345件の意見は、大半が「限度額の撤廃」あるいは「限度額引き上げの実施」を求めている。

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