上限2万円では足りなかった支払いの利用機会を増やすことで、新たな「ICカード経済圏」の構築を目指しているのだろう。
しかし、コード決済はもはやPayPayが絶対的シェアを確立しており、「なぜ今?感」は否めない。PayPayを押しのけてでも使いたいと思わせる、例えば運賃の値引きやキャッシュバックが定期的に受けられるというような、鉄道会社ならではの「そう来たか」という機能が欲しいところだ。
いずれにしても、交通キャッシュレス競争の第2幕があいた。消費者として期待したい。
万博のキャッシュレスは成功したのか
さて、次は盛況のうちに幕を閉じた大阪・関西万博を振り返る。
同万博は「現金を一切取り扱わない全面的キャッシュレス決済」で運営されたが、その効果を検証し、報告書にまとめた。それによると、「累計約 2900万人という極めて多くの来場者を迎える中で、会期中にシステム障害等による決済停止は一度も発生せず」「今後普段の生活でもキャッシュレス決済を使いたいとの意向を示す利用者が9割を超えた」。
そして「現金志向が高いと言われる我が国においても、利便性の高い環境を用意すれば、高齢者を含む消費者に全面的キャッシュレスが受け入れられる素地が十分にあることが確認できた意義は大きい」と胸を張る(「大阪・関西万博 全面的キャッシュレス決済運用の効果検証報告書」/2025年日本国際博覧会協会より)。
消費者の満足度は高かったようだが、会場の店舗側はどうだろう。アンケート結果によればキャッシュレス運営に対する総合評価は、「非常に良かった」「良かった」と回答した店舗が全体の7割を超えている。
特に効果があったとされるのは、現金を扱わないことによる作業時間の削減だ。万博以外の通常店舗では釣銭対応、レジ締め処理、売上報告、銀行への入金などに1カ月で合計1443分(約24時間)かかるのに対し、万博店舗では釣銭対応やレジ締め、売上金回収はゼロ秒、残る売上報告も130分に短縮され、全体作業時間は通常店舗の約1/10に削減されたと総括。
また、現金がないため、「レジ締め時の過不足金の発生(売り上げと現金額が合わないなど)」や、「原因不明の現金紛失」も発生しない。業務時間の効率化につながり、働く人の負担も大きく軽減される。



















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