最初はインバウンドを意識した地方交通のバスなどが中心だったが、現在では首都圏の私鉄改札でも当たり前のように見かけるようになっている。Visaによると、25年12月時点で44都道府県・190以上の公共交通事業者が参加しているという。
海外では先行してタッチ決済による交通機関の乗車が広がっていた。観光立国を目指す日本では、訪日外国人の利便性を考えれば、わざわざきっぷやICカードを購入させるよりも、すでに手元にあるクレカでそのまま乗車できるほうがスムーズだ。
さらに、Visaの資料によれば、公共交通機関でタッチ決済乗車を利用した人と、そうでない人を比較すると、前者の方が日常カテゴリー(ファストフードや飲食店、スーパーやドラッグストアなど)でカードを利用する件数や消費額が増えたという。公共交通でのカード利用が、キャッシュレスでの支払い習慣化につながり、沿線での経済活動を後押しする効果があると分析しているのだ。
カード会社にとっても、どんどん自社カードを使ってもらうほうがありがたい。タッチ決済乗車への対応ブランドはVisa、JCB、American Express等が先行していたが、遅れていたMastercardも24年10月より参加し、25年12月現在では全国155以上の交通機関まで拡大している。さらに、東京メトロは26年春からは全線でタッチ決済乗車を開始すると発表しており、乗り換えの利便性がぐんと上がりそうだ。
SuicaとPASMOの新決済サービスの勝算は
まさにイケイケのタッチ決済だが、そこに「ちょっと待った」をかけてきたのが、元祖キャッシュレス乗車のSuicaだ。
JR東日本は25年11月に「少額決済・事前チャージという当たり前を超える」として、これまでの上限2万円を超え、最大30万円までチャージできるコード決済サービスを新たにスタート。さらに、モバイルSuicaアプリに搭載すると発表した(物理カードのチャージ上限は変わらず)。ビューカードを紐づけることで、チャージなしのクレカ後払いも可能になるという。
サービスの名称は「teppay(テッペイ)」で、26年秋からの提供を目指す。「teppay」には決済のほか、ユーザー間での残高の送金・受け取り、オンライン決済など、先行他社サービスと同じ機能を持たせる。27年からはモバイルPASMOとも連携し、交通系ICカード連合の巻き返し開始か?といった様相だ。



















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