現代美術の父の「ちゃぶ台返し」
モダニズムが「絵画の純粋性」を追求していたころ、それとは異なる文脈で現代美術の扉を開いた人物がいます。
フランス生まれのマルセル・デュシャン。「現代美術の父」と呼べる存在で、彼が1917年に発表した『泉』という作品は、現代美術を語るうえで避けては通れない作品です。
『泉』とは何か。それは、既製の男性用小便器に「R.MUTT」という偽名のサインをしただけのアート。
それまで芸術といえば、ゴッホのような天才性を持った芸術家が、みずからの内面や魂をぶつけて制作されたもの、といったイメージが主流でした。
しかしデュシャンは、街の商店で売っている便器を買ってきて、それをそのまま自分が審査員をしていた展覧会に偽名で出品したのです。
「つくった」のではありません。レディメイドといわれる既製品に偽名のサインをしただけ。デュシャンはそのうち、人が買ってきたものにもサインをして「泉」と呼ばせたりもしています。



















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