便器だって洗剤の箱だって数億円のアートになる!?常識を疑い、新たな問いを立て続ける現代美術という「ゲーム・チェンジャー」

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17世紀以来、ヨーロッパでは、華やかで現世的な富を示す事物に頭蓋骨を死の象徴として潜り込ませる、「メメントモリ(死を思え)」という主題の静物画が流行しました。

ハーストはこの文脈を踏まえ、ウォーホルのマリリン・モンローのモチーフが提示したテーマを先に進めて、30億円が120億円で取引されるアートの世界の一面を皮肉たっぷりに見せ、芸術の価値とは何かを問いかけているのです。

ダミアン・ハースト 神の愛のために
ダミアン・ハースト『神の愛のために』Damien Hirst, 2007, For the Love of God(©Wikimedia Commons)

キャラクター、ファストファッションとの融合

ハーストはその後、NFT(非代替性トークン。ブロックチェーンの技術を用いて作品を唯一無二に限定できるデータ)を使った作品『The Currency(通貨)』も発表しています。

彼のアイコンのようになっている絵画に、ドット(水玉)のモチーフがあるのですが、その作品を手書きで1万枚発行し、貨幣のように透かし彫りなどを入れてその物質としての唯一無二性を担保してから、購入者に「実物の絵」か「NFT(デジタルデータ)」のどちらかを選ばせる。片方を選べば、もう片方は(実物の場合は物理的に燃やされて)消滅します。

「物質としての価値」と「データとしての価値」、どちらが本物なのか?
現代における「所有」とは何か?

芸術は誰のものなのか?(公共物なのか私物なのか?)

彼はマーケットのシステムそのものをハックし、私たちに芸術の価値についてさまざまな角度から問いかけます。

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