「コーヒーハウス禁止令」が出たオスマン帝国でなぜか急増…人々がこっそり駆け込んだ"意外な場所"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

学者同士が意見をたたかわせる場でもありましたから、コーヒーハウスを「メクテブ・イ・イルファン(知恵の学校)」とか「メジュマ・イ・ズレファ(文化人の集い)」と表現することもありました。

「神学校」を改装した歴史あるコーヒーハウス

アヤ=ソフィア聖堂からほど近い場所に、昔のイスラム教の神学校の建物を利用したコーヒーハウスがあります。

チョルル・アリ・パシャ神学校は、およそ300年前に建てられた神学校です。名前の由来は、スルタンのアフメト3世(在位1703〜1730)の時代に活躍したチョルル出身の大宰相アリ・パシャからきています。

大通りに面していますが、コンクリートの門構えから中の様子はよくわからず、注意して探さないと素通りしてしまうような場所です。

門をくぐると細長い通路があり、右手の棚には炭火にかけられたポットがいくつも並んでいます。コーヒーを淹れるお湯は、今も昔ながらの炭火にこだわっているのですね。

中庭のような空間には、テーブル席がしつらえてあり、建物に沿った壁側にはベンチ状の座席と小さなサイドテーブルが並んでいます。椅子は深紅のビロードのような布張りです。

天井には装飾ランプ、壁にはカラフルなアラビア文字(カリグラフィー)で書かれたクルアーンの一節が掲げられていました。

ここの特徴は、水たばこが吸えること。水たばこは、シーシャ(エジプトなどアラブ圏)、フッカー(インドやパキスタン)などの言い方がありますが、トルコでは「ナルギレ」と言います。

壁側のベンチ席には、ナルギレを吸う男性たちが陣取り、時折ゴボゴボという音を立てながら煙をたて、談笑する姿が見られました。

利用者の半分はトルコ人で、イタリアやスペインなどから来る観光客も多いそうです。

「日本人は珍しいね」と店員さん。コーヒーはもちろんトルコ式で、炭火で沸かしたお湯で淹れたからなのか、風味がやわらかく感じました。

次ページ月に1度のくつろぎのひと時
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事